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夢幻水滸伝

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第二十七話 浮島の内政その十二

「そうした奴はどの世界にもおる」
「どの国でもか」
「そうした奴は見付け次第や」
「成敗か」
「さもないとほんまに困ってる人等まで手が回らなくなってな」
 そうした寄生虫としか言い様がない者達に彼等に回すべき予算や人手を回せなくなってである。
「あかん様になる」
「そやからやな」
「そうした奴等はもう逆にや」
「成敗か」
「そうせなあかんわ」
「それもまた政か」
「ああ、出来る限りよおさんの人を助ける」
 最大多数の最大幸福、芥川は言いつつこの言葉を思い出した。
「それが政やな」
「その通りや」
「ほなな」
「農地についてもか」
「その方針や、働くことせんで酒ばかり飲んで嫁さんや子供に暴力を振るう」
「人間の屑やな」
「そんな屑は放っておけん」
 到底、というのだ。
「そやからな」
「見付け次第成敗か」
「そうしていく、ただな」
「ただ?」
「そうしたことをやる星の奴がな」
 芥川は見事な水田地帯を見つつ頭を掻きながら話した。
「どうもな」
「おらんか」
「そや、内政は弥生ちゃんがおってもな」
「弥生ちゃんそうしたことはタイプやないな」
「屑を見付けて処罰するのは」
「警察とか裁判、いやまたちゃうな」
「犯罪になれば警察やけどな」
 ここで芥川はこう言った。
「この場合犯罪を犯したらな」
「その時点でか」
「警察や」
「あっちの世界ではか」
「こっちの世界では奉行所や」
 警察ではなく、というのだ。
「そっちになるわ」
「そうか、奉行所か」
「江戸時代の名前になるわ」
 こちらの世界が昔の日本の趣だからだ、それでというのだ。
「北町とか南町のな」
「日本全体の警察になるか」
「そうやな、それで綾乃ちゃんが田畑とか工場とかを受け持ってな」
 そうしてというのだ。
「治安に一人、あと出来たら」
「出来たら?」
「橋とか堤防とか建物担当のな」
「そっちの内政もか」
「専門の奴が欲しいな」
 こうも言うのだった。
「内政はな」
「それで太宰の下に置くか」
「そうして内政をさらに充実させていきたいわ」
 芥川は中里に考える顔で話した。
「それで太平洋全体もな」
「統一したらか」
「内政を充実させたい」
 日本でそうしていきたい様にというのだ。
「どんどんな、それで蓄えた国力でな」
「この世界もやな」
「統一や、結局は国力や」
「国力さえあればやな」
「勝てるもんやからな」
 どうした相手にもというのだ。
「内政や、結局は」
「そこが第一か」
「そういうこっちゃ、この浮島も然りや」
「浮島でも内政してか」
「国を豊かにするわ、うちも内政してるけどな」
「相手もやで」
 綾乃がまた中里に話した。
「何ていうても」
「こっちがやることはか」
「相手もや」
 そうしたことになるというのだ。 
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