ヘタリア学園
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第六千六百五十二話 出ない人
第六千六百五十二話 出ない人
江戸時代のはじめの頃のことです、江戸の日本の上司の人が困って日本に尋ねていました。
「あの男まだ出ようとしないのか」
「はい、私も説得していますが」
日本も困ったお顔になっています。
「それでもです」
「八丈島から出ないのか」
「十万石の大名に戻すというお話も」
このことは上司の人も言っています。
「断っておられます」
「関ヶ原からどれだけ経っているんだ」
その人は関ヶ原で敗れて八丈島に流罪になっているのです。
「それでもか」
「はい、まだです」
「島から出ようとしないというのか」
「豊臣家もなくなりましたが」
「だからもういいと言っているのに」
上司の人にとってはもう流罪を解いて赦すつもりなのです。
「頑固過ぎるぞ」
「私も驚いています」
この人のお名前を宇喜多秀家といいます、上司の人が出てはどうかと言っているのに全く出ようとしなかったのです。
第六千六百五十二話 完
2017・11・5
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