夢幻水滸伝
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第二十七話 浮島の内政その五
「技術が他の勢力よりも突出してええ」
「それでやな」
「その分武具もよくてや」
「道とか港が整ってて素早く動ける」
「それでや」
だからこそ、というのだ。
「強いんや」
「数だけやないな」
「正直関西の兵は弱い」
他の勢力に比べてだ。
「それでも勝てていけてるんはや」
「技術もあってやな」
「その技術をな」
「これからもやな」
「どんどん発展させてくで」
「日本、そして太平洋統一の為に」
「ひいては世界のな」
芥川も氷を入れた濁酒を飲んでいる、そうしつつの言葉だった。
「その為にな」
「そうしてくか」
「そや」
「技術がよくなったらええもんも造られるし」
綾乃は中里達の倍以上の勢いで飲みつつ話していた、ただし食べるそれは彼等の方が上である。
「ええこと尽くしや」
「服もやな」
「足袋もか」
足に履くそれもというのだ。
「ええのが出来るし」
「それもあるか」
「草履もええのが出来るし」
「草履も強くないとな」
「底が破れたらあかんやろ」
「ああ、絶対にな」
「そやからな」
こうした何でもない日常品についてもというのだ。
「ええのが出来たら何よりや」
「こっちの世界でもやな」
「そやから技術はどんどん研究してもらってるねん」
「大勢の陰陽師やら雇ってるのはその為やな」
関西もそうしている、太宰がそちらも取り仕切っている。
「そうやねんな」
「そやで」
「とにかく技術がないとな」
「どうにもならんか」
「そや」
実際にというのだ。
「例えば染めものも針造ることも桶作ることも塩造ることも出来んでな」
「いや、そこまでいったら」
それこそとだ、中里も呆れて返した。
「国として何も出来んやろ」
「そやからな」
「技術も必要か」
「そや、しかもな」
「高ければ高い程ええか」
「こっちの世界でもな」
そうだというのだ。
「豊かになろうって思うたら」
「そういうことか」
「そやで、そやから陰陽師とかからくり師も雇って」
それもかなりの数をだ。
「技術を研究してもらってるねん」
「こっちの世界の科学と一緒か」
「そやで」
「それで日本で第一の技術力か」
自分達の勢力はとだ、中里もその辺りの事情を理解して頷いた。
「そういうことか」
「そやで」
「そしてそれも政か」
「そういうことや」
「そしてその技術を軍にも産業にも民衆の生活にも使って」
「どんどん豊かになってもらうで、今度な」
綾乃は笑顔でこうも言った。
「夜も明るくしてくさかい」
「灯りか」
「今も結構明るいけれど」
何故明るいかもだ、綾乃は話した。
「菜種油とか使って」
「油かいな」
「それを使ってな、けどな」
「これからはやな」
「魔法と丹術、からくりまで使ったな」
「ミックスやな」
「それでな」
そうしたこちらの世界の技術を合わせて、というのだ。
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