| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十七話 浮島の内政その四

「そして科学だけでも」
「色々な技術があってやな」
「その技術をそれぞれ混ぜ合わせてやって言ってる社会やから」 
 それでというのだ。
「こうした風になっててな」
「あっちの世界みたいなことも出来る」
「そやで、これなんかそうやん」
 蛸を食べつつの言葉だった。
「これはあえて干してるけど」
「新鮮な蛸も食べられるな」
 刺身等にしてだ、勿論他の海鮮ものも内陸部で食べられる。言うまでもなく新鮮なものをだ。
「お刺身で」
「魔法で冷凍してな」
「錬金術でも」
「カチコチに凍らせて運んで」
 そしてというのだ。
「運べるやろ」
「あっちの世界やと冷凍技術はな」
「つい最近やん」
「二十世紀の後半になってからやな」
 冷蔵庫の出現もだ、こうしたものが出て来てそうして人類は何処でも新鮮なものを口にすることが出来る様になったのだ。
「こっちは自由に氷も出せるけれど」
「氷もやで」
 綾乃はその氷を入れた濁酒を飲んでいる、杯の中に入れているそれはよく冷えていて美味い。
「こっちの世界では何処でもあるで」
「外見は室町の日本でもな」
「そうなってるさかい」
「そのことも大きいな」
「そやで、後な」
 さらに話す綾乃だった。
「そうしたのを生活にも軍事にも使って」
「やっぱり軍事にもなるな」
「携帯食とかも作ってるねん」
「そういうのもか」
「あれや、昔の日本のかんぴょうとか干飯からな」 
 軍師の芥川が具体的に話してきた。
「瓶とかに詰めたな」
「缶詰やな」
「そういうのを考えていってるねん」
「そうなんか」
「そういうの作ったらええやろ」
「どうしてもかんぴょうとかだけやと飽きるしな」
「しかも干したもんは固い」
 このことも言うのだった。
「消化が今一つよくない」
「そやからそればっかりやとあかんか」
「そやからや」
「他の携帯食も考えててな」
「瓶詰、缶詰とかもか」
「考えてるねん」
 こう中里に話した。
「冷凍食品はもうあるし」
「成程な」
「勿論街でも売る」 
 軍勢の携帯食にするだけでなく、というのだ。
「そうしてく」
「それで僕もやな」
「軍は自分の受け持ちや」
 神星である六武星であるからだ、このことは必然的にそうなる。
「そやからそうしたこともな」
「全部やな」
「任せるで」
「わかったわ、やってくわ」
 中里も確かな顔で応えた。
「そうしたこともな」
「戦は戦の場でする前にかなり決まってる」
「武器に補給に訓練にな」
「その中には技術もあってな」
「こうしたことも技術のうちやな」
「そや」
 まさにその通りだというのだ。
「技術でええ武器や兵器造って道とか港整えてな」
「食いものもか」
「ええのを造って戦う」
「それだけでかなり決まるな」
「むしろ戦の場に出る前に決める」
「それ位のことでいかなあかんな」
「そういうことや、関西が日本で強いのもそれや」
 その秘密はというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧