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夢幻水滸伝

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第二十六話 浮島その六

「ロシア人やなかったな」
「そうやったしな」
「そうした話が多くてもか」
「流石にあんな国家元首ばかりやない」
「平気で大粛清とかする話はそうそうないか」
「あの氷帝は四十万生き埋めとか街一つ消し飛ばすとかしてるけどな」
「やっぱりしとるやろが」
 中里は即座に突っ込みを入れた。
「それでインドも雷帝もか」
「そうしてる」 
 実際にというのだ。
「まあそうしてるのは確かや」
「やっぱりそうか」
「けどそれが普通やないからな」
 そこは違うというのだ。
「いつも敵に人権がない訳やない」
「徹底的に逆らう敵にはか」
「そうするんや」
「見せしめでか」
「ちなみにロシアは死刑もえぐいけど最近領土にしたシベリアにな」
「あそこか」
「こっちの世界でも広くて寒い未開の地や」
 所謂ツンドラ地帯だというのだ。
「あそこに送られてな」
「こっち以上の強制労働か」
「それで死ぬ」
「魂も消し飛ばすか」
「死んだ時点でな」
「こっちも魂消し飛ばすやろ」
 そうした強制労働で使い潰す死刑囚はというのだ。
「そこは同じやな」
「そや、しかしな」
「ロシアの労働環境はもっとえぐいか」
「鬼やと思ってええ」
 文字通りにというのだ。
「あそことかインドもな」
「インドもそういうことするか、強制労働とか」
「あそこは何か動物の餌にするの好きやな」
 この国の倍はというのだ。
「ジャングルでライオンや虎と鬼ごっこさせたり川で鰐と水泳させたり手足縛って象とサッカーさせたり首から下埋めてハゲタカをバードウォッチングさせる」
「楽しく言うてるけど内容えぐ過ぎるな」
「こっちの世界でもあった処刑や」
 こちらの世界の過去のインドであった処刑方法である。
「他にもあるで」
「インドも怖いな」
「怒らせたら怖い国でな」
「雷帝もか」
「普通にそうする」
 凶悪犯に酸鼻な処刑を与えるというのだ。
「何か両国は魂までこき使うことも考えてる」
「完全に消えるまでか」
「そや、太平洋とか欧州はそういうのせんからな」
「そこは違うか」
「ああ、ああした国々はほんまにちゃう」
「徹底してるんやな」
「えげつなさではな、あと浮島やけどな」
 そちらに話を戻すのだった。
「こんな感じや、面白い場所やろ」
「ああ、空に浮く島でな」
「上には雲かてある」
 見上げると奇麗な白い雲達がある、青い空と黄金の日差しと共にそちらもう子案でいるのだ。
「それで雨も雪も降る、あとな」
「あと?」
「僕等は動かすことも出来る」
 その島もというのだ。
「それも出来るで」
「ほんまか?」
「ああ、出来るのは神星でな」
 それでというのだ。
「三極星は特にな」
「綾乃ちゃんはか」 
 中里はその綾乃を見て芥川に応えた。
「それが上手に出来るか」
「そやねん」 
 実際にというのだ。
「浮島を動かすことが出来るんや」
「上下左右にか?」
「勿論斜めにもや」
 そちらの方向にもというのだ。
「高低もな」
「それを使ったら」
 浮島を動かす、それならとだ。中里はすぐにわかった。 
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