夢幻水滸伝
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第二十五話 五騎星その六
「よく楽しんでる」
「今日は別にしてか」
「そうだよ、どうも気分でなかったが」
「そうしたらやな」
「君達と会った」
今ここでというのだ。
「これは神のお導きか」
「神様か、そういえばあっちの世界の宗教ってな」
「色々あるで」
姫巫女の綾乃が横から中里に話してきた。
「神道もあるし仏教もあって」
「キリスト教もやな」
「それで他の信仰もあるねん」
「他のもか」
「中国は道教あるしアメリカにはケルトとかネイティブの信仰もキリスト教と同時進行や」
つまり共に信仰されているというのだ。
「そうなってるで」
「ほな欧州も」
「女神ブリタニアは偉大だ」
マロリーが笑って言ってきた。
「そして私はアポロンも信仰している」
「キリスト教と一緒にか」
「どれか一つでないと駄目な世界ではないからな」
「それこっちの世界やったら日本だけみたいたしな」
「そうだ、しかしあちらの世界では違う」
こう中里に話すのだった。
「だからだ」
「アポロンもかいな」
「信仰している、ケルトの信仰はかなりアメリカに行ってしまったが」
「それでもやな」
「こちらにも残っている、それに北欧の神々もいる」
「そっちも信仰多いな」
「うむ、そのことも覚えておいてくれ」
「わかったわ、ほな中南米とかエジプトとかの神様もおるんかいな」
「中東とかは殆ど全部イスラムやで」
綾乃はあちらの世界のそうした地域の信仰のことも話した。
「魔法とかは使っててもな」
「イスラムか」
「あっちの世界でもな」
「イスラムはあっちの世界でも強いか」
「やっぱりな、ただな」
「ただ?」
「中南米の神様は信仰されてるし」
それにというのだ。
「エジプトとかメソポタミアの信仰はな」
「何処にあるねん」
「東南アジアとかに入ってるで」
「そっちにかいな」
「神様が引っ越したらしくて」
それでというのだ。
「太平洋では結構信仰されてるで」
「こっちに移ったんか」
「太平洋は種族も宗教も文化も坩堝やねん」
綾乃は中里にこのことも話した。
「そやからな」
「そうした神様達もおるんか」
「そやねん」
「そしてね」
ここでユゴーが言ってきた。
「こちらの世界の種族は比較的少ないのだよ」
「少ない?」
「他の地域にいるオークやコボルト、犬人等の種族はいない」
「そうなんか」
「そうだ、人間が多くだ」
そしてというのだ。
「天使や魔族、ニンフや精霊等の種族が多いのだ」
「欧州ではそうか」
「そこが違う」
「ほな自分達もか」
「五人共人間だよ」
この種族だというのだ。
「君達は鬼や天狗、精霊だが」
「自分等はあっちの世界でも人間か」
「そうなのだよ」
こう話すのだった。
「バランスは取れているが今一つ面白みがない」
「人間族はそうなんか」
「そうだ、だが努力次第で何とでもなる」
ヘッセは知的な笑みで中里に答えた。
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