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夢幻水滸伝

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第二十五話 五騎星その七

「種族ごとの能力の違いはな」
「人間でも鬼でもやな」
「無論他の種族も同じだ」
 どの種族もというのだ。
「翼人、天狗もだが」
「飛ぶこともやな」
「少し強引だが術を使えば飛べる」
「あと技術でもな」
 その天狗である芥川が笑って応えた。
「そやな」
「そういうことになる」
「まあ日本では翼人はおっても星の奴は天狗もおるんやけどな」
「その様だな」
「しかし空を飛ぶこともや」
 実際にとその芥川が認めた。
「どの種族でも出来る」
「あの世界、こちらの世界でも同じだが」
「種族の違いは確かにあってもか」
「努力次第でどうにもなる」
「そういうことやな」
「まさかと思うが人種論、民族論は言わないだろう?」
 ユゴーも知的な笑みで三人に聞いて来た。
「そうしたことは」
「そんなん言うて自分はどんだけか」
 綾乃がユゴーに応えてこう言った。
「そうした話になるで」
「そうだな」
「うちの聞いた話やと」
 綾乃はここでこうしたことを話した。
「知能指数なんて訓練次第でどうでもなるっていうし」
「その通りだよ」 
 ユゴーはすぐに綾乃のその話に応えた。
「運動神経も然りだね」
「そやな、うち運動は今一つやけど」
「その今一つも訓練次第だよ」
「苦手でもやな」
「そうだ、同じ人間となる」
 結論としてはというのだ。
「こちらの世界でもあちらの世界でもな」
「大差ないってことか」
「その通りだよ、あちらの欧州は人間やニンフ、精霊、ヴァンパイア等がその殆どを占めているが」
「大差はないか」
「そちらもそうではないか?」
「それはそやな。こっちは数えきれないだけの種族があるけど」
 それでもというのだ。
「結局大差ないし」
「そうだな」
「種族の違いやない、大事なんは」
「その者の努力や心だな」
「そやな、あとそっちでも巨人出るん?」
「出る、はた迷惑なことに」
 セルバンテスが綾乃のその問いに答えた。
「そして暴れている」
「やっぱりそやねんな」
「何時何処に出て来るかわからない」
「こっちも一緒や。迷惑やわ」
「あの連中が何なのかはね」
 アリギエーリが言うことはというと。
「僕達も調べてるけど」
「わからへんねんな」
「残念なことにね」
 苦笑いと共に綾乃に話した。
「全くだよ」
「こっちも調べてるけど」
「わかっていないね」
「巨人にも種類があるのはわかるけど」
「そうそう、それあるよね」
「燃えてる巨人とか凍えてる巨人とか毒の巨人とかな」
「頭が二つある巨人とかもいるね」
 アリギエーリはこうした巨人の話もした。 
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