夢幻水滸伝
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第二十五話 五騎星その四
「以後知っておいて欲しい」
「わかった、ユゴーやな」
「そうだ、いい名前だな」
「そやな」
「星は神裕星、生まれはフランスのオレルアンだよ」
「フランス人か」
「いい国だと言っておくよ」
微笑み気取った仕草でだ、ユゴーは中里に述べた。
「我が国はね」
「そやねんな」
「そうだ、私も騎士だよ」
「クラスは何処や」
「J組だよ」
そのクラスだとだ、ユゴーは中里に答えた。
「そしてね」
「言い遅れて申し訳ない」
ここでまたマロリーが言ってきた。
「私はI組、神暗星だ」
「クラスと星はそっちか」
「そうだ」
その通りだとだ、マロリーはまた中里に話し0た。
「覚えておいてくれ」
「わかったわ」
「さて、それでだが」
ユゴーもまた中里に言ってきた。
「私もカープが好きだがアニメもいいが特撮だ」
「そっちが趣味か」
「そうなのだよ、実にいい」
「彼等は日本のそうしたものが好きなのだよ」
ヘッセが二人のことをこう言い加えた。
「私もよくその話を聞いている」
「聞かされてるんちゃうんか」
「面白いのでね」
その話がというのだ。
「そうなるだろう」
「そうなんか」
「そうだ、今は敵同士だがな」
五騎星同士でというのだ。
「この世界では違うからな」
「それでか」
「友としてそうさせてもらっている」
「成程な」
「私も同じなんだよ」
先の三人よりはやや小柄な一七四センチ程の黒髪の明るい顔立ちの男が言ってきた、肌は少し黒く髪の毛は縮れていて短い。黒い目は大きく星の様に輝いている。オレンジの派手なブレザーと黒いズボンが白のブラウスと赤いネクタイに似合っている。スタイルはモデルの様である、
「これがね」
「自分もヘッセにはか」
「色々話を聞いてもらってるよ」
「そうなんか」
「そう、私はフランシスコ=セルバンテス」
男は自ら名乗った。
「スペイン生まれだよ」
「星とクラスは?」
「神微星、クラスはL組だよ」
「そうなんか」
「いいクラスだよ」
セルバンテスは自分のクラスのことも述べた。
「ちなみに趣味はサルエスラ鑑賞だよ」
「サルエスラ?」
「スペイン語の歌劇と思ってくれればいい」
セルバンテスは笑って中里にそのサルエスラのことを簡単に説明した。
「そうしたものだよ」
「そうなんか」
「歌劇部にいるよ」
部活はそちらだというのだ。
「歌域はテノールだよ」
「スペイン人でテノールか」
「ドミンゴを思い出したね」
「あとカレーラスもな」
彼もというのだ。
「思い出したわ」
「その二人は外せないね」
「スペインのテノールやとな」
「私もその方々は尊敬しているよ」
「方々か」
「敬愛しているのでね」
「ちなみに彼も貴族だ」
ヘッセがセルバンテスの話もした。
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