| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十四話 神星達の出会いその十二

「意味ないな」
「そやろ」
「悲しい話やな」
「そうした意味で勝ったんは頼朝さんや」
 源平の戦にというのだ。
「将軍になれたしな」
「自分の目的達成してるからやな」
「それが勝ちや。まあ身内の殺し合いはさらに続いでな」
「源氏は誰もおらんようになったな」
「あれはアホな話やった」
 芥川は苦い、そして遠くのものを見る顔でこう言った。
「身内同士で殺し合って誰もおらん様になるってな」
「戦に勝って将軍にもなったのに」
「そうなるなんてな」
「一つになったら絶対に中で争わない」
 シェリルがここでこう言った。
「これは守るべき」
「その通りや」
「そのことは約束しよう」
「この十人でやな」
「そう」
 芥川に対しても述べる。
「どうかしら」
「ええな」
 芥川はシェリルのその提案に確かな顔で応えた。
「僕も賛成や」
「他の皆は」
 シェリルは他の太平洋の神星の面々に顔を向けて尋ねた、すると他の八人は微笑み無言で頷いた。
 そしてだ、綾乃がすっと出る様にして言った。
「それ約束しよか」
「十人でやな」
「ここにおるな」
 綾乃は中里にも微笑んで答えた。
「皆でな」
「そうか、ほなな」
「まずは戦うけど。戦いが終わったら友達やで」 
 綾乃らしい表現で話した。
「それからは、手を合わせて約束しような」
「ほなな」
 住人は互いに手を重ね合った、十本の手がそれぞれ円となってそうしてだった。綾乃が差し出した手が重なり合い。
 誓い合った、その誓いが終わってからだ。
 中里は笑ってだ、こんなことを言った。
「統一した時が楽しみやな」
「この十人がまた揃うって思うとやな」
「ほんまにな」
 こう綾乃に応えた。
「それだけで」
「そやな、戦もするけど」
「この顔触れ何かええわ」
「出来ないことはない」 
 リーが言ってきた。
「そう思えますね」
「ああ、けどな」
「けれどとは」
「自分敬語調やけど発音は関西やな」
 そちらだというのだ。
「日本語は」
「はい、神戸にいますと」
 この八条学園がある街にというのだ。
「どうしてもです」
「なるか」
「関西のアクセントに」
「そこはどうしてもやな」
「そう思いますが」
「それはそやな。まあこの学園日本人もあちこちから集まるし」
 まさに日本全国からだ。
「色々な方言も聞けるやろ」
「津軽のものも鹿児島のものも」
「そういうのもな。けど関西人がダントツで多いからか」
「関西のアクセントになっています」
 日本語はというのだ。
「英語や中国語はシンガポール訛りがあると言われています」
「母国のか」
「その様に」
「何処でも訛りあるな」
「ですから」
 それでというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧