夢幻水滸伝

「超大国になるで」
「そやな」
「なれるんやないからな」
「なるんやな」
「絶対にな」
　こう言うのだった。
「なるからな」
「そやからか」
「内政には力を入れる」
　これまで通りにというのだ。
「ええな」
「そっちもやな」
「ああ、早いとこ統一を進めながらな」
　そうしてというのだ。
「内政もしていくで」
「そしてこの連中を倒すか」　
　中里は他の面々を見て芥川に応えた。
「そういうことやな」
「そういうこっちゃ。全部倒してな」
「太平洋を統一やな」
「強い、けど倒したらや」
　その時はというのだ。
「味方になって頼りになる仲間や」
「そうなるな」
「倒せればね」
　アレンカールは自信に満ちた顔で中里達の今の言葉に返した。
「そうなってあげるわ」
「本気でやな」
「お姐に二言はないのよ」
　自分の気質を自覚している返事だった。
「あたいは嘘は言わないしね」
「わしもや」
「嘘は吐かんわ」　
「その時は仲間になったる」
「倒された時はな」
　六武星の他の面々もこう言う。
「素直に仲間になる」
「配下ってことでな」
「そして全力でやらせてもらう」
「政治も戦争もな」
「私達もです」
「その時はそうさせてもらうわ」
　リーとシェリルもこう言う。
「是非ね」
「あちらの世界の太平洋、ひいては世界の為に」
「こっちもや、倒された時はや」
　芥川は綾乃そして中里と目で話してから彼等に応えた。
「配下になったるわ」
「そうなるで」
　綾乃も他の神星達に言った。
「ほんまにな」
「さて、凄い戦争になるけどな」
　それでもとだ、中里はまた言った。
「最後の最後まで勝ってこか」
「戦争は最後に笑ってた方が勝ってる」　
　綾乃はここでこう言った。
「そういうことやな」
「そや、戦争は結果や」
「最後に笑ってる方がやな」
「自分の望むものを得られて後々までええ目を見てる方がな」
「勝ったってことやな」
「そうや、源義経さんは壇ノ浦で勝った」　
　平家にだ、この海戦で平家は完全に滅んでしまった。
「けど後はどうやったか」
「お兄さんに殺されたな」
「そうした意味で義経さんは勝ったか」
「難しいところやな」
「源氏は身内で殺し合いばっかりしてた」
　それが為に直系、義経から見て祖父にあたる源為義の血筋は実朝が公暁に殺されたことにより完全に絶えた。この公暁にしても実朝の兄頼家の子であった。
「それを知ってたかも、やけど」
「自分が殺されたらな」
　兄に警戒されてと言われている、その功績を。