夢幻水滸伝
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第二十四話 神星達の出会いその九
「自分等はまずはね」
「日本を統一してか」
「それからよ」
「わかっとるわ、こっちはすぐにや」
売り言葉に買い言葉という感じでだ、中里はアレンカールに返した。
「統一してや」
「そうしてえ」
「自分等もまとめて倒す」
こうアレンカールに言い返した。
「こっちの心配はせんでええ」
「若し統一出来なくても」
「そっちの内政が済んだらか」
「攻めるわよ」
日本をというのだ。
「それで軍門に降してあげるわ」
「その心配は杞憂やから安心せい」
「あら、すぐになの」
「そっちを制圧する、というかや」
中里はアレンカールが盟主である中南米だけでなく他の勢力の面々を見回して彼等の事情を指摘した。
「自分等何処も勢力圏広いな」
「広いから人口も資源もかなりやで」
「驚く位あるで」
トウェインとメルヴィルはまずは不敵な笑みで返した。
「まあその分な」
「内政が大変やけどな」
「正直統一までは楽やった」
「今の方が大変や」
羅と施も言う。
「農業に商業に工業にな」
「所謂治水もあるしな」
「内政は順調ですが時間をかけています」
「それもかなり」
リーとシェリル達南洋組もだった。
「そしてそのうえで」
「国力も整えていますので」
「それが終わり次第」
「決戦ですね」
「まあ内政第一よ」
アレンカールも言う。
「何といってもね」
「国はやな」
「戦争に勝ってもね」
「それでもやな」
「国が豊かでないと」
「太平洋もか」
「そういうことよ、まあ日本も頑張ることね」
中里達に笑って話した。
「それも必死にね」
「そこで精々と言わんのやな」
「飄々としているふりは嫌いなのよ」
「実際自分は飄々としてるやろ」
「自然にそうなっていたらいいけれど」
しかしという返事だった。
「いるでしょ、飄々としているつもりで自己中が普通に出ていて嫌な奴だってわかる奴」
「おるな、そういう奴」
「陰湿さや嫌味さも出てね」
「自分はそのつもりでもな」
飄々としている人間のつもりでもだ。
「おるな、確かに」
「あたいそういう奴は嫌いだから」
それでというのだ。
「そうは言わないわ」
「そんな奴にはなりたくないからか」
「普通にエゴを出していたらいいのに」
「そうした芝居が入ってか」
「余計に嫌な奴に見えるのよ」
ただの自己中心的な性格ならまだ嫌味がない、しかしそこに仮面の様な芝居が入ると、というのだ。
「そういう奴を見たから」
「ああはなるまいってか」
「思ってね」
「今も精々とは言わんか」
「必死に頑張ることよ」
内政、それもというのだ。
「いいわね」
「わかったわ、ほなな」
「そしてよ」
さらに言うアレンカールだった。
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