八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百二十五話 秋田の思い出その十五
「そっちはあるけれど」
「ひっくり返すことなのね」
「そうしたチームじゃないから」
伝統的にだ。
「だからね」
「それでなのね」
「うん、今は強いけれど」
ここ近年はだ。
「何時そうなるかわからないよ」
「そうなのね」
「もう夏も終わりで」
高校野球もそろそろ終わりだ、この時期になるとだ。
「心配になってくるよ」
「地獄のロード以降です」
畑中さんも残念そうに言ってきた。
「阪神は調子を落とします」
「ずっとそうですよね」
「夏の暑い時に本拠地が使えないので」
「いつもそのせいで夏場から調子を落として」
「負けていってです」
「優勝出来ない展開が多かったですね」
「シーズン終了まではです」
本当にそれまではだ。
「心配で仕方がありません」
「今年もですね」
「今は十ゲーム開いていますが」
圧倒的だ、デイリーとかを見ているともう毎日お祭りみたいだ。今年も優勝だと大騒ぎの記事がいつも一面にある。
「しかしです」
「安心は出来ないですね」
「十連敗もです」
今の阪神では信じられない負け方だけれどだ。
「そして今の二位である広島が十連勝すれば」
「あっという間に形勢逆転ですね」
「スポーツは全てそうであり野球も然りですが」
「阪神は特にですね」
「絶対がありません」
「絶対優勝すると思っていても」
「よく信じられない事態が起こります」
『よく』というのが問題だ、本当に。
「ですから」
「本当にですね」
「阪神は今シーズンもです」
「安心しないことですね」
「それにクライマックスもありますから」
これもある、確かに一位のチームが有利な条件だけれどだ。
「油断せずにです」
「最後の最後まで、ですね」
「戦っていくべきです」
「胴上げの時までですね」
「クライマックス、そしてシリーズでの」
「シビアですね」
「ですがそれが現実です」
畑中さんの言葉は強かった、まさにそれこそが世の摂理であると僕に話してくれているものだった。
「阪神にとっては特に」
「最後の最後まで、ですね」
「油断しないことです」
「油断すればですね」
「これまでの多くの悪夢が繰り返されます」
その悪夢が本当に多いチームだ、これも伝統なのだろうか。
「悪夢を繰り返してはいけません」
「決して」
「はい、幸い巨人は昨日百敗を達成しました」
今年もやってくれた、やっぱり巨人は弱くないと駄目だ。弱い巨人じゃなくて何の魅力があるのかとさえ思う。
「巨人のクライマックス進出はありません」
「それはないですね」
「もう流石に」
「ゲーム差がどうしようもないので」
「はい、巨人の最下位は決まりました」
テレビでは巨人ファンのタレント達が喚いているけれどそれを見るのも楽しい。
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