しおりが登録されていません

 | 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十三話 神星の者達その十二

「今のところは」
「それはか」
「ああ、そやけどな」
 それでもともだ、ここで話された。
「会うとそれでな」
「一つのことやな」
「そや、出来事ではある」
「出来事やったらな」
「それはそれでええわ」
 そんお良し悪しに関わらずというのだ。
「そうなるな」
「ほんまにな」
 二人で話した、そして綾乃も言った。
「どっちみち皆最後は一緒になるんやろ」
「それはな」
 芥川も否定せずに綾乃に答えた、とはいっても少し戸惑いつつそのうえで彼女に対して答えた。
「言われてみれば」
「あっちの世界を救う為に」
「そうなるわ」
「そやったらここで会ってもな」
「ええか」
「そうやで、昨日の敵は今日の味方」
 笑ってだ、綾乃はこうも言った。
「そやったらな」
「未来の味方と会うのもか」
「ええやろ、ただ女帝さんと雷帝さんとはお話せんかったな」
「何か連中な」
 エカテリーナ、そしてタゴールはというのだ。
「近寄り難くてな」
「そうやろか」
「いや、そやろかやなくてな」
 実際にとだ、芥川は綾乃に返した。
「あの二人そんな雰囲気あるやろ」
「うちはそうは思わんで」
 綾乃はにこりと笑って芥川に答えた。
「確かに冷酷になれる時はあるみたいやけど」
「それでもか」
「人としてはな」
「特にか」
「悪いもんはないで」
 そうした者達だというのだ。
「人として」
「冷酷で無慈悲でも外道やないか」
「人の道は踏み外してないし」
 それにというのだ。
「話も出来るで」
「そうなんか」
「うちはそう思うわ」
「そういえば女帝普段の学校生活めっちゃ穏やからしいな」
 エカテリーナ、彼女はというのだ。
「親切で無欲で」
「そやろ」
「何かそこはロシア的やな」
「ロシア的?」
「国のやることは無茶の限りやけど」
 帝政ロシアやソ連、そして今のロシアの内外への政策を見ての言葉だ。少なくとも芥川から見ればそうだ。
「人はな」
「ロシアから来た子ええ子多いで」
「そやねんな、これが」
 芥川も知っていることだった、このことは。
「どの国もええ奴、悪い奴がおってもな」
「ロシア人はどっちかっていうとな」
「めっちゃええ奴多いわ」
「それで女帝さんもやねん」
「普段はか」
「めっちゃええ娘らしいで、しかも勉強も部活も出来る」
 そうした娘だというのだ。
「しかもスタイルも抜群らしいわ」
「そういえばフィギュアやってたな」
「あっちの世界のこと知らん子は銀盤の女帝って言うてるわ」
「そこでも女帝かいな」
「そうらしいで」
「まあ普段は大人しくて優しいやな」
「そうした娘やで」
 このことは間違いないとだ、綾乃は芥川に話してそうして彼等のクラスに戻ろうとした。だがその時にだった。また出会いがあるのだった。


第二十三話   完


                 2017・6・24 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧