夢幻水滸伝
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第二十四話 神星達の出会いその一
第二十四話 神星達の出会い
綾乃達三人は自分達のクラスに戻ろうとしていた、だが。
その途中の廊下でだ、彼等を呼び止める声がした。
「三人揃って何処行くんや?」
「日本の神星が三人揃ってな」
「その声は」
芥川がその声に反応した、そして彼と共に中里と綾乃も彼が振り向いた方に顔を向けるとだった。
廊下の窓側に立たせた金髪に青い瞳を持った高い鼻の少年がいた。背は一八五程ありすらりとしたスタイルだ。黒いブレザーとズボン、青いネクタイと白のブラウスの制服をラフに着ている。
もう一人は青いブレザーとズボン、赤いネクタイの制服でブラウスはやはり白だ。短い黒髪のアフリカ系の少年で大きな瞳は黒だ。やや面長で明るい顔立ちだ。背は一八七程で逞しい身体つきだ。
その二人を見てだ、芥川は中里に話した。
「自分と同じや」
「六武星か」
「そや、神星のうちのな」
「そうか、見たところアメリカか?」
二人の外見からだ、中里は察した。
「この連中や」
「その通りや」
「わい等はアメリカ人や」
二人は明るい笑顔で中里に答えた、そして白人の少年と黒人の少年の順に名乗った。
「わしはジミー=メルヴィルや」
「わいはウォルス=トウェインや」
こうそれぞれ名乗った。
「宜しくな」
「近いうちにそっちに殴り込みかけるわ」
「それで配下にしたる」
「そのうえで仲良くやってこな」
「いきなり挑発的やな」
中里は二人の言葉を聞いて笑って返した。
「アメリカらしいっていうか」
「ははは、らしいならそれでええな」
「わかりやすいからな」
「アメリカはもう統一してるからな」
「それで内政に力入れてるんや」
「それが終わり次第や」
「太平洋制覇に乗り出すんや」
そうした考えだというのだ。
「そやからな」
「軍門に降った時は楽しくやろな」
「何か明るいな、しかし勝つのはこっちや」
中里はメルヴィルとトウェインに笑って返した。
「それは言うておくわ、あとな」
「あと?」
「あと何や?」
「自分等の名前はわかった」
それはというのだ。
「メルヴィルとトウェインやな」
「そや覚えておいてくれるか」
「しっかりとな」
「もう覚えた、しかし星とか種族はどうなってるねん」
中里が気になっているのはこのことだった。
「一体な」
「神雄星、種族はエルフで職業はガンマンや」
「神立星、種族はバーバリアンで職業は闘士や」
メルヴィルもトウェインも笑って中里に話した。
「これで覚えたな」
「星とか種族のことも」
「ああ、これでな。しかしアメリカも神星がおるって聞いたけど」
また言った中里だった。
「おもろくて強そうな連中やな」
「おう、そして戦で正々堂々や」
「敵は戦って軍門に降す主義や」
「そやから自分等もや」
「暫くしたらそうなるわ」
二人はここでも明るく中里に話した。
「その時が楽しみで仕方ない」
「ほんまにな」
「言うなあ、しかし自分等のクラスも気になった」
今度はこちらの世界のことだった。
「どのクラスや」
「三年B組や」
「わいはC組や」
メルヴィルもトウェインもそれぞれ答えた。
「あとわいはボクシング部や」
「わしはバスケ部や」
「そうか、あと日本語は二人共関西やな」
「関西の学校におるからな」
「学校の外もこうした言葉やからな」
「日本語は関西弁や」
「これは太平洋の地域の奴の大抵やろ」
そうだというのだ。
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