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夢幻水滸伝

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第二十三話 神星の者達その九

「婚約したらしい」
「婚約!?」
「わかるな」
「夫婦になるんや」
「そや、星同士でな」
「そうか、結婚出来るんか」
「あっちの世界ではな、僕等も同じや」
 かく言う自分達もとだ、芥川は中里にこのことも話した。
「誰かと結婚出来るで」
「そうなんやな」
「星同士でもな」
「それであの二人もか」
「婚約してな」
「やがてはか」
「結婚するんや」
 そうなるというのだ。
「そしてや」
「一つの国になるか」
「二つの国を一つにするにはこれが一番手っ取り早い」
 結婚、それがというのだ。
「それぞれの主同士がそうするのがな」
「ハプスブルク家やな」
「あの家が一番有名やけど結構ある話や」
 欧州では、というのだ。
「婚姻政策ってのはな」
「スペインもそやったな」
「そや、あの国は王様と女王様が結婚して出来た国やろ」
 カスティーリャの王子とアラゴンの王女、後の王と女王の婚姻で統一された。そして今のスペインに至るのだ。
「それと一緒や」
「結婚してか」
「一つの勢力になるんや」
「ロシアとインドがか」
「それでロシアとインドだけでなくな」
 この二つの地域に比べてというのだ。
「両国の間にある中央アジアを飲み込んで」
「メソポタミアとかもか」
「北アフリカまでな」
「何かオスマン=トルコとかモンゴル帝国とかペルシャみたいやな
 その領域からだ、中里は言った。
「その勢力圏は」
「そやな、二人の極星が力を合わせたら」
「それも出来るか」
「絶対にやるわ」
 彼等はとだ、芥川は言い切った。
「しかももう一人神星が加わったしな」
「もう一人?」
「四智星の一人神富星のターリャ=ウリツスカヤ」 
 芥川はその者の名前を言った。
「名前からわかる通りこっちの世界ではロシア人や」
「ロシアか」
「職業は召喚師や」
「モンスターとか召喚するんやな」
「いや、神様を召還するらしい」
「神様?」
「それでその神様の力で戦うらしいわ」
 そのターリャという者はというのだ。
「軍師としても能力があって戦場でもそうして戦ってな」
「強いんやな」
「ああ、そいつが女帝そして雷帝の下に入った」
「神星がもう一人か」
「そうや、あっちには神星が三人になった」
「しかも三極星が二人でか」
「相当に強い、そやからな」
 その彼等の存在故にというのだ。
「ロシア、インド連合は絶対にや」
「それだけの地域を併呑するか」
「圧倒的な力でな」
「そうなるか」
「それであいつ等に対抗するにはや」
 芥川は中里、そして綾乃にあらためて話した。
「太平洋を統一することや」
「あっちの世界でも人口、資源、領土の大半を持ってるか」
「六割以上のな、しかも太平洋地域は浮島も多い」 
 このこともあるというのだ。 
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