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夢幻水滸伝

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第二十三話 神星の者達その八

「そうしたんや」
「成程な」
「それでやけどな」
「今度もだがや」
「ここで名古屋のもん一緒に喰おうか」
「望むところだがや」
 坂口は挑戦を受けて立つ様にだ、不敵に笑って中里に返した。
「八兆味噌と海老、鶏も忘れるでないぎゃ」
「それも食おうか」
「一緒にな」
 こうした話をしてだ、中里達は坂口達と別れて食堂を後にするがここでだ。
 中里は後ろ、タゴール達を振り向いてそうしてこんなことを言った。
「あの二人ともやがてはやな」
「ああ、戦うことになるで」
 芥川が隣から答えた。
「何時かはな」
「そやな」
「わかるやろ、三極星や」
 彼等のどちらもというのだ。
「恐ろしいまでの強さや」
「綾乃ちゃんと一緒やからな」
 その綾乃を観つつだ、中里は芥川に応えた。
「しかも綾乃ちゃんはどっちかっていうと守りや回復が主やろ」
「そや、その使う術も神具もな」
「八岐大蛇は強いけどな」
「それでもや」
「戦いに使う神具は大蛇だけや」
 綾乃が持っている神具ではというのだ。
「攻撃の術も使えてもな」
「威力は高くてもやな」
「あの二人に比べれば遥かに弱い」
「それで二人共神具もか」
「攻撃のものが多い」
「そうした連中か」
「まるで破壊の神みたいに強いらしい」
 その域に達しているというのだ。
「街をその神具や術の一撃で消し飛ばしたこともある」
「二人共か」
「そうしたこともあるんや」
「力も凄いけどな」
「街を一つ消し飛ばすえげつなさが怖いな」
「性格的にも容赦ないってことやな」
「それだけに怖い連中や」
 エカチェリーナ、そしてタゴールはというのだ。
「政治自体はどっちも善政らしいけれどな」
「敵には容赦せんか」
「そうや、そやから圧政とも言われてる」
 その政の在り方がそう評価されているというのだ。
「それだけに怖いで」
「怖い要素ばっかりやな」
「それがあの二人や、それでな」
「太平洋を統一してやな」
「出来るだけ急いでな」 
 そうしてというのだ。
「連中がロシアやインド、中央アジア、メソポタミアとかを統一して併呑する前にな」
「二人が狙ってるんはそっちか」
「どうもそうらしい、北アフリカも飲み込んでな」
 二人の圧倒的な力によってというのだ。
「それから他の地域って考えてるらしい」
「ロシアにインド、中央アジアにメソポタミア、そして北アフリカか」
「かなり広い地域やな」
「無茶苦茶にな、太平洋程やないにしても」 
 あちらの世界でもその全てを合わせれば世界の国土、人口、資源の六割以上を占める。東アジアに東南アジア、オセアニア、北米に中南米まで合わせるとだ。
「それでもな」
「まさにランドパワーや」
「ランド、大地か」
「そうなるわ」
「それでその大地の力でか」
「やがて僕等とぶつかる」
 そうなるというのだ。
「その時までに色々備えとくで」
「わかったわ」
「とにかくあの二人は強い」
 このことをだ、芥川は中里に再び話した。念を押す様に。
「そしてその二人がや」
「よりによって手を結んだ」
「やがては一緒の国になるらしい」
「一緒の?」
「あっちの世界での話やけどな」
 こう断って言うことだった。 
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