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俺のペットはアホガール

作者:猫丸
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おへそを出したギャル生徒の場合

時刻は8時30分、朝のHRが8時45分から始まることを考えると遅刻組が来る時間帯ですね。


電車やバス、交通機関を使ってくる生徒達や、寝坊したりなにか事故があったせいで遅れて走って登校してくる生徒はまだいい方です。


自分が悪いと自覚を持ち、遅刻しないように努力する良い子達ですから。


でもたまに堂々とこの時間帯を選び登校してくる生徒がいるんです。


「あー!! 見てくださいっ会長! あの生徒!!」


「あの生徒…?」


という後輩の足田さんが指さす方向を見ると


「~~~♪」


シャカポコ シャカポコ と音が外にだだ漏れのヘットフォンに歩きスマフォ



金髪のロングヘアー・つけまつげ・銀のピアス・真っ赤な口紅・ショートパンツにへそ出しトップス・黒いピンヒールのブーツ


と、もはやどこからつっこめばいいのか分からなくなるほどの、問題児のご登校です。



「おはようございます、小野 イランさん」


「~~~~♪」


シャカポコ シャカポコ


音楽のせいで聞こえていないようです。目の前に立ってもスマフォに夢中で前が見えていないようです。


「人の話を聞きなさい!」


「わっ、なんだし!?」


無理やりにヘットフォンを外し取ってあげると、ようやく私のことに気が付いたようです。


「あー、りつこじゃ~んオッハー♪」


「おはようございます…じゃなくて、なんですかその恰好は!?」


「え? なにが、なんか変?」


「変です! そもそも学校に着て来る格好じゃないでしょ! 制服はちゃんと着てください」


「えー、あれダサいからヤダ~」


イラッ。この人は……。


「まあいいです。鞄の中を見せて下さい、生徒会命令です」


「え~ヤダ的な~。プライベートを大事にしたいし~」


「つべこべ言わずに見せなさい!」


「はぁ~い」


少々強引すぎたでしょうか? いいえ、小野さんにはあれくらいが丁度いいはずです。


チャックを開けて鞄の中身をチェックです。


教科書・筆記用具・くしゃくしゃのプリント(ちゃんとファイルに入れればいいのに)・メイク用品が入ったポーチ(学校で化粧は駄目です)・飴やチョコなどの小袋のお菓子(学校にお菓子を持ってくること……禁止はされてませんね)

雑な鞄の中身。適当に物をポイポイ入れ込んだ、だけというのがすごく分かります。


でもまあ、恰好程に問題視される物もなかったので今日の所はこれくらいにしてあげましょう。


「はい、どうもありがとうございました」


「どーもだしーで、なにかあった?」


「………いえ」


ありすぎてなにからつっこめばいいのか分かりません。


「そう? じゃ、教室で~」


小野さんを見送った後、こそっと近づいて来た足田さんが


「あの人、通しても良かったすか? 会長」


と聞いてきました、それはごもっともな意見だと思います…でも


「いいんです、これで」


「はぁ…会長がそう言うっすなら…」


いいんです、これでともう一度自分にも言い聞かせます。


そうです、だってどこからつっこめばいいのか分からないのだもの―
 
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