俺のペットはアホガール
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番長を引き連れた不良生徒の場合おまけ
「はぁ~それにしても散々な目に合いました…」
糞の集団(生徒会)の頂点と祭り上げられて、調子に乗っている女に絡まれたせいで今の俺はすっごく機嫌が悪い。
「す、すびばっ」
「あん? 誰のせいだと思ってんだ、あん?」
「ヒィイイ!!?」
ああ…うざい、五月蠅い人達です。教室へ向かう廊下、他の生徒もいる中、俺の後ろで取っ組み合う男が二人。
「あん?」
時代遅れの不良モドキ。あだ名が番長なだけの、ただの弱虫野郎。
雑魚は雑魚なりに、世界に謝りながら生きてほしいですね~。
「ゴ、ゴベンナシャイ!!」
そう、彼のようね。九話に初登場してそのまま使い捨てキャラとして消えていく予定だったのに、優しい 優しい俺のお情けでまた登場させてあげた、下級生くん。
彼はいつも謝るか、泣くか、悲鳴をあげることしか出来ない役立たず、五月蠅いから一緒にはいたくないんですけどね~。
「あの~うるさいんですが? もっと静かに歩けませんか~?」
と言いながら、アホ二人の耳元に近寄り囁く
「一般生徒が見てんだろが、セン公にチクられて俺の評判が落ちたらどうしてくれるんだろう~? ねぇ」
「「…………」」
あーあ。無言で固まっちゃった。
「アホ二人は置いてさっさと教室へ向かいましょう、遅刻でもして先生方の評価を下げるわけにはいきませんからね」
スタスタと歩き、階段を上がり、自分の教室へ、ガラガラ~とドアを開け
「おはようございます~……って」
あまりいませんね。
教室には数人の生徒しかいませんでした。まあ、それもそうでしょう。
この時間帯はみんな、他の教室にいる友達にところか、とりあえず用もないのに廊下に出て喋っていますからね~。
教室にいる奴といったら、生真面目で面白みのない奴か
「おはようございます、緑さん」
ぼっちだけですよ。
「……あ、おはよう、大和殿」
一人寂しく本を読む、緑屋詩緒。常にフードを被っている変な女子生徒です、生意気な事に俺と同じくらい優秀で評価も高いらしい。
「何を読んでいるんですか~? 面白いですか?
僕は登校初日から最悪でしたよ~」
「え、え…と…」
ははっ、おどおどしてる、ぼっちはこうしてからかうと面白いんだよなぁ~♪
「最悪な事ってなにが…あったの?」
あ、そこに食いつきましたか。
「それがですね~、知り合いに貸した漫画本を生徒会長に没収されてしまったんですよ~」
「それは…学校に漫画を持ってきた、友達が悪いね「友達じゃないです、知り合いです」あ……ごめん」
下級生はただの…おっと、これは言っちゃいけないんでしたっ。
「ほんとっ最悪でしたよ~、せっかくの最新刊が~、まだ読んでなかったのに」
「なんの漫画…?」
「少年が海賊王の残した、大秘宝を求めて世界中を旅して~、最終的に海賊王になる話の漫画ですよ~。
やっと全巻揃えたって喜んでいたのに」
……下級生くんが。
「そうなんだ……僕もその漫画のアニメ見てる」
「そうなんですか、奇遇ですね~で、何読んでいるんですか?」
「リゼロ」
「あ~、あの主人公が異世界で生死を繰り返して、ヒロインを救っている奴?」
「……簡単にいえばそう…かな?」
「僕まだ読んでなかったんですよね~」
「読む?」
「(ニヤリ)えっ!? いいんですか? ありがとうございます~」
「海賊王と交換なら」
「ええ、もちろん~」
昼休憩にでも下級生くん、呼び出してあるだけ全部持ち出させますかっ。
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