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夢幻水滸伝

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第二十二話 人の星その十一

「くつろげる時はこうでな、家では下着姿やったりするで」
「下着って」
「女の子は服着るやろ」
「ところがや」
「ちゃうんか」
「下着のままやったりするんか」
「うち等はちゃんと服着てますで」
 家の中でもとだ、四人は中里達に話した。
「ジャージとかティーシャツでも」
「最低限そういうの着てますで」
「けれど女子寮はどうか」
「実際下着姿で歩き回ったりしてます」
「お部屋の中でも可愛い服着てたんちゃうんか」
 中里はその現実に衝撃を受けて言った。
「それできちんと座ってお菓子食べたりとか」
「それないですよ」
「そんなんありませんから」
「普通に下着姿で寝そべってです」
「それでお菓子食べたりジュース飲んだりです」
「そうなんか。この四人が標準か」
 中里はこうも言った。
「いい加減なんが」
「いい加減な時はいい加減やで」
 綾乃がまた中里に話した。
「そやからうちのお姉ちゃんも妹達も」
「あれっ、お姉ちゃんって」
「うち四人姉妹の二人目やで」
「お兄さんおるんやろ?」
「お兄ちゃんおってお姉ちゃんおって」
 そしてというのだ。
「うちと妹二人」
「五人兄妹か」
「そうやねん」
 そうだというのだ。
「神社はお兄ちゃんが継ぐで」
「そうなんか」
「それでお家やったらな」
「妹達はか」
「お家の中では普通にこうやで」
 四人の様だというのだ。
「実際にな」
「何かもうな」
 中里は衝撃を隠せない顔で言った。
「女の子への幻想が消えたわ」
「現実はちゃいますから」
「うち等は包み隠さずこうです」
「やる時はやる」
「やらん時はやらんです」
 その四人が言ってきた。
「そうしてます」
「いつもです」
「そうして生きてますさかい」
「自分を飾らずです」
「ひょっとして僕等えらいこと知ったんか?」
「そうかもな」
 芥川も衝撃を隠せない顔だった、その顔で中里に応えた。
「これは」
「衝撃の事実やな」
「全く以て」
「ほんまにな」
「悪いことやないで」
 ここでまた言った綾乃だった。
「こんなもんってな」
「思ってか」
「それでか」
「そうや、別に驚くことも悲しむこともないし」
「悪いことでもない」
「そうなんか」
「そうやで」
 綾乃が言うことは変わらない、しかし。
 中里と芥川は考える顔のままだ、また二人で話をした。
「これから覚悟しとこか」
「そやな、女の子についてな」
「こうしたもんやってな」
「わかっておくか」
「それで見ていこか」
「そやから女子寮なんて」
 それこそというのだ。 
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