夢幻水滸伝
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第二十二話 人の星その十
「いや、流石は棟梁さんです」
「うち等の本質わかてくれてますやん」
「流石は関西の棟梁」
「姫巫女さんですわ」
「いや、褒めてもらうこともないし」
優しい笑みでだ、綾乃は四人に返した。
「うちが見たことを話しただけやし」
「けど中里さんや芥川さんはボロクソですよ」
「今みたいに」
「あっちの世界でも言いますし」
「あと八岐大蛇も」
「言われる様な態度やからやろが」
芥川は四人にこのことを指摘して返した。
「それは」
「またそう言いますし」
「いや、ほんま困りますわ」
「こんな美少女四人捕まえてそう言うなんて」
「先輩バチ当たりますで」
「自分で美少女言うのもあれやな」
「ほんまやな」
芥川だけでなく中里も言う。
「とことん調子のええ連中やな」
「困った連中や」
「まあ確かに人間としては腐ってないし」
「悪人ではないからな」
だからいいと話した、二人にしても。
「そやからええか」
「まだな」
「悪い娘達やないで」
このことは綾乃が保証した。
「ほんまに」
「いや、紫先輩わかってますね」
「流石姫巫女さんですわ」
「うち等の本質わかってますやん」
「お見事ですわ」
四人は綾乃の言葉にここぞとばかり乗る、綾乃はその四人に公平に応える。そうした関係だった。
しかし中里と芥川はだ、四人を見てあくまでこう言うのだった。
「正直このいい加減さな」
「どうにもな」
「正直何とかならんか」
「そう思うわ」
四人のこの特質についてまだ言う。
「今度の戦ではそれをどうにかしてくか」
「真っ先に敵陣に突っ込ませるか?」
「後ろに鉄砲や弓矢出してる足軽置いて応援させたうえでな」
「そうしよ」
「いや、それ懲罰大隊ですやん」
「それはないですよ」
四人もそれはと返す。
「言われた仕事はしますし」
「安心して下さい」
「そういうことはしたらあかんで」
綾乃も二人のそうした考えは彼等が本気でないとわかっていても止めた。
「意地悪とか酷いことは」
「それはそやけどな」
「何かこの連中観てるとな」
「どうしてもや」
「そうさせたろって思うんや」
懲罰大隊送りの様なことをというのだ。
「あまりにもいい加減やしな」
「適当人間過ぎて」
「これ位普通ちゃう?うちの妹達なんか」
それこそというのだ。
「こんなんやで、女の子は」
「そうなんか?」
「八岐大蛇の背中でお菓子食うてたらしいしな」
「会議中でもお菓子食うてジュース飲んで」
「そんなんか」
「そうやで、どうでもええ時はこうやで」
四人組の様だというのだ。
「お家やとお菓子食べたりジュース飲んだり」
「そうなんか」
「こんな感じか」
「そう言われると男と変わらんな」
「ほんまにな」
「人間結局大差ないねん」
これが綾乃の言うことだった。
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