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夢幻水滸伝

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第二十一話 地の星達その四

「わしのおかんが子供の頃読んでいたって言ってたぜよ」
「お母さんお幾つや」
 中原はその正岡に彼女の年齢のことを聞いた。
「一体」
「四十三じゃ、高知のスーパーでパートしてるわ」
「お若いな」
「十九歳で結婚して兄さんと三人の姉ちゃん産んでるぜよ」
「五人兄妹なんやな」
「わしはその兄妹の末っ子ぜよ」
 そうした立場だというのだ。
「おとんは網元で結構なお金を持ってるぜよ」
「それは知らんかったわ」
「おまんには今はじめて話したぜよ、それでぜよ」
「そのお母さんがやな」
「小学生、西武ライオンズが鬼の様に強かった時代ぜよ」
 まさにその頃にというのだ。
「読んでいたぜよ」
「それでまだなんやな」
「続いているのが驚きぜよ」
「あの漫画まだやってるから」
 ここでまた言った綾乃だった。
「完結編に入ったの何時やろ」
「ある意味凄い漫画ですね」
 夏目もこの漫画がまだ終わっていないことに驚きの言葉を表情にも出しながら話した。
「よくパロディの画像を観ますが」
「あの目が真っ白になった顔やな」
「はい、それを」
「まだ終わってないから」
「凄いですね」
「あの漫画とパタリロと王家の谷の最終回まで観るで」
 綾乃は笑って二年生の面々に話した。
「これからも」
「そうですか」
「うちの夢や、そんで今日来たのは中里君が星の人等のこっちの世界ではどんなのか観たいってことでやけど」
「自分等も見させてもらったわ」
 その中里の言葉だ。
「仲ええんやな」
「はい、前まで敵同士でしたが」
「クラスでは友達同士ぜよ」
 中原と正岡の二人が明るい笑顔で中里に話した。
「この通りぜよ」
「仲良くしています」
「僕も含めて。ではあちらの世界でまた」
「宜しくな」
 こう二人で話してだ、三人は彼等に別れを告げてだった。
 次のクラスに向かうことにした、ここでまた芥川が中里に言った。
「次はC組に行こうな」
「そこにまた星の奴がおるんやな」
「ああ、とはいっても今度はな」
「味方やいないな」
「今のところはな」
 そうした者達だというのだ。
「そうや」
「っていうとや」
「ああ、東海の連中や」
 その勢力の面々だというのだ。
「その連中やけどええな」
「別にこっちの世界では何もないやろ」 
 中里は平然とした顔で芥川に返した。
「そやろ」
「ああ、別にな」
「ほな会ってもな」
「あっちはあっちでか」
「こっちはそうしたことでええやろ」
 少なくとも自分達はというのだ。
「そう思うけどな」
「そういうことになるな、そやったらな」
「今から行くか」
「そうしよな」 
 こう話してC組に行く、するとだった。
 そこに日焼けした肌に切れ長の目を持つ見事な茶色のロングヘアの少女がいた。背は高く胸が白を基調としたブレザーとミニスカートの制服によく似合っている。ミニスカートから出ている脚もかなり奇麗だ。顔立ちはアジア系のものであるが鼻は高い。 
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