夢幻水滸伝
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第十九話 四国上陸その七
「それで四国から上陸してな」
「そうしてですね」
「讃岐、阿波を抑えてな」
まずはこの二国をというのだ。
「土佐、そして伊予やけど」
「問題は土佐ですね」
吉川は綾乃にすぐにこの国の話をした。
「あの国です」
「あそこは山に囲まれててな」
「はい、攻めにくいです」
「四国の他の国からな」
「守りやすく攻めにくい国です」
国の北の方を完全に山で守られていてだ。
「ですから山を越えるか」
「海やな」
「はい、回り込んでです」
瀬戸内の海を迂回してというのだ。
「土佐の南に広がる海岸から上陸しますか」
「それがええ攻め方か」
「無論相手もそう読んでいるでしょうが」
「それでもやな」
「山から攻めますと」
「攻めにくいです、若しくは」
「空、やな」
綾乃は笑ってここから攻めることに応えた。
「そこからやな」
「はい、それも一つの手です」
吉川も笑みで綾乃に応えた。
「攻めるには色々な手があります」
「その手は全部使ってな」
「攻めるのが戦ですから」
「それでやな」
「はい、これもまた敵は読んでいるでしょうが」
「攻め方によるな」
「そうかと」
こう綾乃に答えた。
「この度も」
「土佐のことわかったわ、まあとにかくや」
「全軍出陣ですね」
「そうしよな、四国全部抑えて」
「正岡と織田もですね」
「うち等のお友達になってもらおうな」
綾乃は配下でえはなくこう呼んだ、そこに彼女が他の星の者達についてどう思っているのかが出ていた。
そうしてだ、全軍でだった。
船に乗り込みそのうえで四国に向かった、既に海は制圧していたので讃岐の海岸に至るまで敵はなかった。
それでだ、一気にだった。
讃岐の岸まで迫った、既にそこには四国の軍勢がいて正岡と織田もその場にいて采配を執っていた。
そこでだ、織田は海の方を見つつ自分の隣にいる正岡に言った。
「おそらく今頃です」
「動いたんじゃな」
「出港したでしょう」
淡路の港からというのだ。
「あれ位の大木さの船ですと淡路の港にも入られますし」
「港も大事ぜよ」
「はい、船が大きくなれば」
「それなりの港が必要ぜよ」
「その通りですね」
「日本では堺とか神戸とか長崎ぜよ」
正岡はそうした場所の港を挙げていった。
「そうした場所がいいぜよ」
「江戸や大阪の港もいいですね」
「それと軍港ぜよ」
「それですと呉、舞鶴ですね」
「後は佐世保ぜよ」
「勿論東国もですし」
織田は既にそちらのことも頭に入れていた。
「横須賀や大湊と」
「そうぜよ、東国の普通の港だと横浜に函館かのう」
「そうですね、この世界でも」
「まっこと港も大事ぜよ」
天下の経営にはというのだ。
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