夢幻水滸伝
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第十九話 四国上陸その二
「どやろか」
「はい、お願いします」
「あの噂の八岐大蛇に乗れるなら」
「そんな機会滅多にないですし」
「そやったら」
四人は綾乃に凄い勢いで応えた。
「是非です」
「それでお願いします」
「わかったわ、ほななな」
綾乃は四人の言葉に笑顔で応えた、こうしてだった。
綾乃は四人を八岐大蛇に乗せそのうえで四国に向かうことになった、即座に御所から出てだった。
八岐大蛇の背に乗ってまずは淡路に向かう、その中でだ。
空や下の大地を観ながらだ、四人は楽しそうに持って来た弁当や茶、それに菓子等を楽しみつつ雑談をしていた。
「いや、お空の旅ええな」
「景色も奇麗やしな」
「こんな旅ずっとしてみたいな」
「浮島とかも行って」
空に浮かぶその島達も見る、どの島も関西の領土で人が暮らしている。
「お弁当も美味いし」
「お握り最高や」
「卵焼きごっつええで」
「お茶も美味いし」
「ちょっと待て」
笑って話をしている四人に大蛇の首の一つが言ってきた。
「わしの背中で上機嫌やな」
「ピクニックみたいやからな」
「お菓子も美味しいし最高や」
「舞空の術とはまたちゃうし」
「こうしたことってはじめてやから楽しんでるで」
「背中に食いカス落すなや」
大蛇の頭の一つは四人の近くにぬっと来て言った。
「わかってると思うが」
「ちゃんとそこは気をつけてるで」
「やっぱり人様の場所は汚したらあかんわ」
「後でお掃除もするし」
「安心してや、大蛇さんも」
「そやとええが、しかしな」
それでもとだ、大蛇は四人にさらに言った。
「自分等凄い気楽やな」
「明るく楽しくがうち等のモットーやからな」
瑠璃子が大蛇に悪びれずに返した。
「そやからこうやねん」
「お弁当食べてお菓子食べて」
由香はおかずのプチトマトを食べている、弁当の中には卵焼きやソーセージ以外にそうした野菜も多く入っている。四人が協力して作ったものだ。
「楽しんでるんやで」
「快適やわ」
紗枝はにこにことしてお茶を飲んでいる、麦茶だ。
「姫巫女さんいつもこうして移動してるんやな」
「うち等もこうした神具欲しいわ」
雅はおやつの蜜柑を見ている、他にはカステラ等の菓子もある。
「快適にお空の旅したいな」
「普通こうして移動はせんからな」
大蛇はまた四人に言った、その頭の大きさは四人の身体以上だ。
「飲み食いしながらとか」
「あれっ、そうなん?」
「こうした時こそ楽しむもんやろ」
「鉄道とか船とかでもそやけど」
「お空でもそやろ」
「これから戦に行くんやぞ」
大蛇は四人にこのことも言った。
「それでもか」
「いつも緊張していてどないするねん」
「普段は楽しててええねん」
「肝心な時にビシッとしたらええ」
「うち等はやる時はやるさかい」
「報酬分働かんとや」
大蛇はあくまで気楽な二人にこうも言った。
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