夢幻水滸伝
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第十九話 四国上陸その一
第十九話 四国上陸
太宰は瀬戸内での戦に勝ったことを吉川自身から聞いてだ、彼との話を終えてからすぐに綾乃にこのことを伝えた。
するとだ、綾乃は太宰に微笑んで言った。
「それではやな」
「はい、ご出陣をお願いします」
綾乃に畏まった態度で述べた。
「これから」
「ほな行って来るわ」
「傭兵の四人もいます」
太宰は彼女達のことも話した。
「彼女達にもです」
「お話するんやな」
「はい、すぐに呼びます」
自称最強の四人達のことにも言うのだった。
「これから」
「あの娘等やってくれそうやな」
「そうは思いませんが」
太宰は彼女達については微妙な顔になり述べた。
「私は」
「そうなん?」
「どうにも、しかしまがりなりにも星の者なので」
だからだというのだ。
「強いことは強いですから」
「それでやな」
「彼女達にもです」
「出陣してもらうんやな」
「そうして戦ってもらいます」
「ほな呼ぼか」
「これより」
こうしてだった、綾乃に出陣を願うだけでなくだった。太宰は四人を呼んでそうしてだった。
四人にもだ、こう言った。
「瀬戸内での戦に勝ちましたので」
「ほなやな」
「うち等の出番やな」
「姫巫女さんと一緒に四国で戦う」
「そうするんやな」
「はい、お願いしますが」
ここでだ、こうも言った太宰だった。
「軽率かついい加減な行動は慎まれて下さい」
「あっ、そう言います?」
「うち等しっかりしてますのに」
「そこでそう言います?」
「ちょっとへこみますわ」
「ご自身のことを振り返られて下さい」
太宰は抗議する顔で言い返す四人に一切表情を変えず冷静そのものの口調で返した。
「これまで、そして普段の」
「やれやれですわ」
「うち等最高の傭兵なのに」
「貰った分は働きますで、しっかりと」
「そうしますで」
「ではそのお言葉通りにです」
太宰は表情を一切変えないまま四人に言っていく。
「働いてもらいます」
「何か凄い傷付きました」
「うち等がいい加減な怠け者みたいに言われて」
「慰謝料欲しい位ですわ」
「支払い追加してくれます?」
「そこは後のお働き以降、では」
それではと言うのだった。
「宜しくお願いします」
「よし、出陣しよか」
「それで戦おうか」
「そしてそのうえで」
「お金の分働こうな」
四人は何だかんだで出陣してだ、そしてだった。
綾乃と共に四国に向かうことになったがここでだった、綾乃は四人に微笑んでそのうえでこう誘いをかけた。
「転移の術で行くかそれとも」
「それとも?」
「それともっていいますと」
「大蛇に乗って行こか?」
御所から四国までというのだ。
「そうしよか」
「あの八岐大蛇に乗って」
「そうして」
「勇ましいし実は乗り心地もええし」
それでというのだ。
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