八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百二十話 明けない夜はないその八
「それにいつも健康にいいものを食べている」
「だからですか」
「そうそう痛風にはならない」
食生活が健全だからだというのだ。
「安心することだ」
「だといいですが」
「やはり食生活だ」
それだというのだ。
「それが普段からしっかりしているとだ」
「痛風にもならないので」
「安心するといい、今日ビールを飲んでもだ」
それでもというのだ。
「そうはならない、では飲もう」
「それじゃあ」
「うむ、今日はふんだんにだ」
ビールを飲もうとだ、井上さんは僕に言ってだった。ダオさんを含めて三人でビールを飲むことになった。すぐにジョッキのビールが注文されて。
三人で乾杯して飲んだ、もうおつまみのソーセージやフライドポテト、ハムやベーコンもある。
飲んでからそういったものを食べるがダオさんがここで言ってきた。
「やっぱりソーセージとビールはね」
「いい組み合わせだよね」
「ええ、このソーセージは茹でてるけれど」
それにマスタードを付けつつ食べている。
「焼いたのもいいわね」
「ビールには」
「そっちのソーセージもね」
言いつつ食べて僕に言って来る。
「ダオ的にはいいのよ」
「そうなんだね」
「ええ、あと今はないけれど」
「今はっていうと」
「日本の枝豆とか冷奴もね」
「好きなんだ」
「ビールと一緒に食べるおつまみとしてはね」
こうも言ってきたのだった。
「ダオ的にはいいのよ」
「枝豆ね」
「義和も好きでしょ」
「飲む時の定番の一つだね」
僕も否定しないで答えた。
「枝豆は」
「そうでしょ」
「何といってもね」
「枝豆最初に食べてびっくりしたわ」
ダオさんは真剣な顔でこうも言った。
「あんまりビールに合うから」
「あれは日本独自らしいね」
「ベトナムにはないし」
「他の国にもだよね」
「ないわよ」
「それ色々な国の人に言われるよ」
「実際ないから」
ああしたお料理はというのだ。
「枝豆みたいなのは、それでね」
「美味しいっていうんだ」
「普通に食べても美味しいしビールにも合う」
「そうしたものなんだね」
「他のお酒にも合うけれどね」
「第一はビールだっていうんだね」
「ダオはそう思うわ、あれと一緒に飲むのも」
ジョッキのビールがどんどん減っていく、ダオさんは小柄だけれど酒豪なのでビールが減る勢いもかなりのものだ。
「好きなのよ」
「八条荘でもそうして飲んでるね」
「そうでしょ」
「うむ、今は完全にオランダの飲み方を再現しているがだ」
井上さんも言ってきた、やはりビールをどんどん飲んでいる。
「枝豆もいいな」
「沙耶香もそう思うでしょ」
「あれも最高だ、冷奴もな」
「そっちもね」
「ビールによく合う」
「わかってるじゃない」
「ビール好きだからな、そして日本ではだ」
日本のビールの飲み方、そうした意味での日本だった。
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