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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十九話 長崎を後にしてその十四

「これがまた美味しいヨ」
「そっちも食べてみたいあるな」
「中華料理もそれと思うかラ」
「北京ダッグ食べたいあるか」
「いや、それは食べたヨ」
「チャイナタウンであるか」
「アメリカにも多いからネ」
 中華街は世界の多くの国にある、太平洋でないのは最近までは韓国だけだった。何でも日本の統治時代はソウルにしっかりあったらしい、けれどそれが日本の統治でなくなったらなくなってしまったと聞いている。
「そこで食べたヨ」
「そうあるか」
「美味しかったヨ」
「それは何よりある」
「ただ、やっぱり中国とは味が違ウ?」
「多分そうあるな」
 水蓮さんも否定せずに答えた。
「同じ北京ダックでも国が違うとある」
「味の好みも違うかラ」
「それである」
「また違うのネ」
「そうだと思うあるよ」
「じゃあ日本でもそうなのネ」
「多分ある」
 同じ北京ダックでもというのだ。
「そうあるよ」
「成程ネ」
「そういうものあるよ、お料理は」
 こんなことをだ、二人で話していた。僕はその話を聞きつつ家鴨を食べてだった。赤ワインを飲みつつ畑中さんに尋ねた。
「ジューンさんと水蓮さんのお話ですけれど」
「はい、やはりです」
「北京ダックでもですね」
「ひいてはシェフによってです」
「違うんですね」
「そうです、料理の形は一つではありません」 
 だからだというのだ。
「北京ダックも然りでして」
「皮を焼いて包んで食べる」
 もっと言えばお野菜も一緒にそうする。
「そうしてもですね」
「はい、また違います」
「こうした感じで作っても」
「皮の焼き加減や包む小麦粉の生地の違い、野菜もあり」
「味が変わりますか」
「調味料の味もです」
 それも関わってというのだ。
「関係しますし」
「色々変わるんですね」
「はい、この家鴨のオリーブ煮にしましても」 
 今食べているこのメインディッシュもというのだ、かなり美味しい。
「やはりです」
「味が違いますか」
「作られるシェフによって」
「そうしたものですか」
「そうなのです、これは何についてもですね」
「お料理だけでない」
「剣道もそうですし」
 畑中さんが嗜んでいるそれもだ、今日も朝から素振りをされたとのことだ。あの十一キロの木刀を千回以上も振るそれを。
「中には酷い剣道もあります」
「前にお話してくれた」
「暴力そのものの」
 剣道と呼ぶのもおこがましいそれもというのだ。 
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