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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十九話 長崎を後にしてその十三

「食べたことがあるけれど」
「最近普通の中華料理屋さんでもあるよね」
「ちょっとしたお店に行けば」
「そうそう、あるよね」
「だから結構食べたことがあるけれど」
「お肉はなんだ」
「あまり」
「そうなんだ」
「ただ、味は好きよ」
 あまり食べたことはないがというのだ。
「そちらはね」
「そうなんだね」
「そう、だからね」
 今は鯉を食べているけれど笑顔でだ、詩織さんは家鴨肉の話もした。
「楽しみよ」
「じゃあね」
「ええ、次はね」
 鯉の次はだ、詩織さんはここでグラスを持ってその中のワインを飲んだ。魚料理なので白ワインだ。見てば僕とは違う柄だった。
「そちらね」
「そうなるよ」 
 僕もここで白ワインを飲んだ、甘口のそれを。甘いワインを楽しんで鯉も食べ終えてだ。メインの家鴨料理となった。
 家鴨料理はオリーブ煮だった、大きめの家鴨肉をじっくりと煮たものだった。そのせいか随分と柔らかく見える。
 そのオリーブ煮を食べてだ、水蓮さんが言った。
「これ美味しいあるよ」
「そうネ」
 ジューンさんも言う、二人は今も同席だ。
「オリーブの味もよく出ててネ」
「いいある、ただある」
「ただっていうト?」
「我が国では家鴨はよく食べるあるが」
「北京ダックとかネ」
「西洋でもそうあると聞いていたあるが」
 それでもとだ、水蓮さんはその家鴨のオリーブ煮を食べつつジューンさんに話した。
「オリーブも使うあるな」
「これはイタリアとか南欧風ヨ」
「そうあるな」
「アメリカでも家鴨は食べるけれド」
「オリーブは使わないあるか」
「常にとは使わないヨ」
「そうあるか」
 水蓮さんはジューンさんの言葉に考える顔で応えた。
「アメリカはイタリア系やスペイン系だけではないあるな」
「オリーブ系はあるけれド」
「そちらみたいにいつもとはいかないあるな」
「そういうことヨ、イタリアやスペインはネ」
 それこそとだ、ジューンさんもこのことを話す。
「オリーブオイルばかりだけれド」
「違うあるな」
「アメリカはね」
「ステーキとかにもするあるナ」
「そうそウ、アメリカでハ」
「そうあるな」
「私はステーキが好きヨ」 
 家鴨のそれがというのだ。 
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