夢幻水滸伝
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第十六話 内政その十二
「保守主義者で慣例破るって」
「そうまでして幕府を守りたかったのですが」
「やったらいかんことやったか」
「そしてあの末路です」
桜田門外で首を執られた、江戸時代の幕府の要職にあった者では最も無残な末路だったであろう。
「自業自得でもあり」
「因果応報やな」
「まさに反面教師にすべきです」
「ああなったらあかんか」
「はい、そう思っていますので」
「大嫌いでか」
「常に意識しています」
反面教師として、というのだ。
「私の目標は伊藤博文さんです」
「初代首相は」
「あの方の様に柔らかいところは柔らかくはないですが」
しかしというのだ。
「目指しています」
「成程な」
「あの方の様になれば」
それでというのだ。
「いいのですが」
「そうなんやな」
「はい、ではあの方の様に」
「出来る首相を目指してか」
「天下万民の為にです」
「政、頑張るか」
「そうしましょう」
こうしたことを話してだ、太宰はチェックもした。裏のそうしたこともしていってだった。
中里は政に励んだ、そうして大和の新田開発から工場の施設まで話が進んだところでだった。四国から吉報が届いた。
「四国がか」
「はい、軍門に降りました」
そうなったとだ、伝令が中里達に御所で告げた。
「全土が」
「そうか、綾乃ちゃんやったか」
「淡路沖での戦に勝ち」
そしてというのだ。
「一気に四国に上陸し」
「それでやな」
「勝敗を決しました」
「そうか、山陽と同じやな」
「間もなく姫巫女様が御所に戻られます」
その綾乃がというのだ。
「それでは」
「ああ、綾乃ちゃんから話聞こうか」
「では四国の統治は」
太宰は宰相の座から使者に問うた。
「傭兵の四人に現場を任せて」
「四国もですにゃ」
「治めていきます」
内政を進めていくというのだ。
「そうしていきましょう、ただ山陽もそうですが」
「四国も政は進んでいますにゃ」
「どちらの勢力もわかっていました」
そこにいる星の者達がというのだ。
「政のことが、それでです」
「田畑も町も産業もですにゃ」
「整っている様ですから」
だからだというのだ。
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