夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十六話 内政その十
「いつも見なおしてます」
「それも自分とか太宰がやってるか」
「そうしてます」
弥生は中里に実際にと答えた。
「ほんまこうした法は大事ですさかい」
「さもないと世の中動かへんしな」
「その通りです、法を無視しましたら」
そうした個人や社会はというと。
「モヒカンヒャッハーとかヤウザ屋さんとかならず者国家になります」
「どれもめっちゃ迷惑やしな」
「どれもこの世界にもあります」
この世界『にも』というのだった。
「先の二つは関西はどんどん取り締まってます」
「放っておけんしな」
「はい、更生させてますが」
「させられん奴は処刑やな」
「そうしてます」
「そういえば関西は牢獄少ないな」
「あえてそうしています」
太宰がまた中里に答えた。
「牢獄も予算が必要ですから」
「余分な予算は回せんか」
「はい、ですから更生の余地のない輩はです」
そうした者はというのだ。
「処刑して魂魄も消し去っています」
「無駄飯になるってことか」
「そうです、更生の余地がない輩なぞです」
「置いておいてもやな」
「何の価値もありません」
太宰のこの件についての言葉は辛辣でさえあった、そうした響きが言葉の中にはっきりと存在していた。
「樋口さんがお話した様な者達で殺人等を行った輩はです」
「それが確信犯とかやったらやな」
「打ち首獄門ではなく」
「ああ、うちは普通に鋸引きとか引き裂きとかやるな」
「そうしてです」
そうした苛烈な刑罰でというのだ。
「惨たらしく時間をかけてです」
「処刑やな」
「そうしています」
「悪党に慈悲は無用か」
「私の考えでいかせてもらいました」
そうした輩への処刑はというのだ。
「北斗の拳でもそうですね」
「ああ、あの漫画そうやな」
「悪党に容赦なぞです」
「無用か」
「そうなので」
「殺してくか」
「そうしています」
現在進行形でという言葉だった。
「そうして一人の処刑がです」
「世の中にそれを晒してやな」
「悪人達への見せしめともなりますので」
「やってるんやな」
「そうです、まあ賄賂位ならです」
内政面で起こる不正はというと。
「死刑とまではなりません」
「殺人とかでもないとか」
「死刑にはしません」
あくまで凶悪犯限定だというのだ。
「私も」
「私もっていうと」
「そうした重罪人の刑罰の判断もしています」
太宰自身がというのだ。
ページ上へ戻る