八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百十八話 大浦天主堂その二
「運動もしていますから」
「飲んで食べられた分ですね」
「そうです」
本当にそうしている、この辺りも立派といえば立派だ。
「そうしていますから」
「スタイルは変わらないですか」
「それにいつも健康です」
絶対に身体を壊す様な生き方をしていてもだ。
「お医者さんのせいか身体に気を使ってるんですかね」
「それもいいことですね」
「絶対に殆ど寝てないですけれど」
けれど一日の間で少しは寝ている様にしている、親父は言うには元々睡眠時間が短い体質とのことだ。
「それでも普通にやってますね」
「そうですか」
「それでその親父にです」
「お土産をですね」
「あれで喜んでくれますし」
お土産を買ってきたらだ、それはいつもだ。
「ですから」
「買われますか」
「そうします」
「では」
「はい、本当に災厄がない様に」
あの親父にだ。
「送ります」
「それでは私も」
「ご両親にですね」
「いえ、従姉に」
「従姉の人にですか」
「実は両親と兄には神戸からのものを送っています」
そうしたお土産の様なものをというのだ。
「そうしてますが」
「ここのじゃないんですね」
「地元ですか」
「あっ、だから」
「はい、神戸のものを送りました」
そうしたというのだ。
「既に」
「そうですか」
「ですが従姉は鹿児島にいまして」
「九州の南の」
「私より五つ年上で母の姉の娘さんです」
関係も話してくれた、血筋のそれも。
「大学を卒業してです」
「鹿児島にですか」
「あちらの農協で働いています」
「そうですか」
「今は鹿屋にいます」
あの特攻隊の基地があった街だ、今でも海上自衛隊の鹿屋基地があって特攻隊の資料館もある。江田島と同じく並なくしては観られない場所だ。
「その従姉にです」
「送られますか」
「そうします、幸せがある様に」
「いいことですね」
今度は僕がこう言った。
「それは」
「そう言って頂けますか」
「きっと喜んでくれますよ」
「長生きして欲しいですしね」
破天荒に生きていてもだ。
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