夢幻水滸伝
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第十五話 傭兵の四人その十
「お洒落ですさかいうち等」
「お風呂も毎日ちゃんと入ってますし」
「女子力ばっちりですよ」
「馬鹿にしてたら痛い目見ますよ」
「ほなこんなとこで人生ゲームなんかするなや」
見れば双六はそうした種類のものだった。
「というかちゃんと働かんかい」
「彼女達は何時出陣してもらうかわかりませんが」
太宰も四人を眉を顰めさせて見ている、そのうえでの言葉だ。
「しかしこの有様は」
「あかんやろ」
「何処の干物妹ですか」
こうまで言う始末だった。
「あの妹さんと同じく悪気はないですが」
「それでもやな」
「この態度は」
幾ら何でもというのだ。
「酷いですね」
「自分もそう思うやろ」
「はい、どうしましょか」
「ここはです」
太宰は四人を冷徹な感じの目で見つつ中里に言った。
「退室してもらいましょう」
「やっぱりそうなるか」
「別に待機状態なので出陣か政で動いてもらうまではこうしてもらってもいいですが」
遊んでいてもというのだ。
「幾ら何でもです」
「あかんな」
「はい、では」
太宰は今度は四人に直接声をかけた。
「退室を願います」
「やっぱりそうなるん?」
「ほな移動しよか」
「しゃあないわ」
「お部屋出よか」
こう話してだ、そしてだった。
双六にお菓子やジュースを持ってそのうえで退室した、それが終わってそのうえでだった。
太宰は中里にだ、あらためて話した。
「これでいいですね」
「そやな、けど食べカスとかはな」
中里は四人が先程までいたその場所を見つつ述べた。
「全部奇麗にしていったな」
「掃除はしていきましたね」
「そこはしっかりしてるんやな」
「そうですね」
「言うだけはあるわ」
自分達で女子力があると、だ。
「ええことや」
「はい、では彼女達は実際にです」
「暫くの間はあのままか」
「待機してもらいます、遊んでいてもらって結構です」
あの様にしてというのだ。
「別に」
「それで僕はか」
「出雲から樋口さんを呼び戻しますし」
弥生、彼女をというのだ。
「三人で政を進めていきましょう」
「そっちははじめてやけどやるか」
「その様に、政も経験です」
やっていくといいというのだ。
「経験を積めば積むだけです」
「出来る様になるか」
「コツがわかってきますので」
「そうか、ほな頼むわ」
「それでは」
「それでうちも待機しとくわ」
綾乃は棟梁の座から微笑んで太宰に言った。
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