夢幻水滸伝
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第十五話 傭兵の四人その十一
「よろしゅうな」
「はい、それでは」
「それまで待とうか」
「戦いが終わり次第です」
「その状況によってやな」
「出陣して頂きますので」
「ほなな」
明るく笑ってだ、そしてだった。
綾乃も今は落ち着いて状況を見守りつつ待機した、そしてだった。
その話が終わってからだ、中里は太宰そして都に戻ってきた弥生と共に領内のお政にかかることになった。その政はというと。
「農地も町もです」
「整えるんやな」
「はい、新田開発ですが」
太宰は中里に御所の一室で話した、弥生もその部屋にいる。三人で顔を合わせてそのうえで話をしている。
「それを最初にです」
「してくか」
「多くの川に堤を築き水も通す様にしています」
「その水を使ってやな」
「はい、後はです」
「川沿いに新田を整えていくか」
「特に大和です」
この国だというのだ。
「大和北部の盆地に新田をです」
「作ってくか」
「そうです、そして田のあぜ道にはです」
「ああ、そこにはやな」
「はい、大豆を植えます」
「あぜ豆やな」
中里は大豆をこう読んで話した。
「それもやな」
「植えますし田に水をひいて」
そしてというのだ。
「そこにタニシや泥鰌もです」
「そうしたもんもか」
「育てられますので」
「それも食うか」
「そうしますので」
だからだというのだ。
「新田はどんどん開発していきます」
「大和の北のか」
「そうしますので」
「わかったわ、まずは大和やな」
「あの場所は開けていますし」
大和の盆地はというのだ。
「一気に新田を築いていきましょう」
「これまでは近江や伊勢、あと摂津とかに新田を作ってました」
弥生がここで中里に話した。
「そしてです」
「今度はやな」
「大和です」
「そうなるんやな」
「はい、ただ大和は北だけです」
新田を開発出来るのはというのだ。
「南は出来ません」
「ああ、奈良県の南はな」
中里は彼等の世界のことから話した、地理的には広さは違うが地形は同じであるからそこはわかったのだ。
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