夢幻水滸伝
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第十四話 攻めるものその八
「宜しく頼みます」
「これから」
「はい、こちらこそ」
綾乃も笑顔で応える、こうして山陽全土に井伏と山本という二人の星の者が加わった。関西の勢力にとって実に大きなことだった。二人はすぐに山陽に戻り政に入った。
だが鏡を観てだ、太宰は共に観る綾乃と中里に言った。
「四国の方もです」
「状況が動いてるなあ」
綾乃はその戦局を観て太宰に応えた。
「こっちも」
「そうです、それも大きく」
「ぼなここでもかいな」
「決める必要があります」
戦、それをというのだ。
「山陽、そして四国を手に入れれば」
「西国は後は九州だけやな」
「はい、ここはです」
「四国もやな」
「決着をつけるべきかと」
太宰は綾乃にはっきりとした声で答えた。
「あちらとも」
「最初は退ける位で終わらせるつもりやったけどな」
「今は」
「それやったけど」
「状況が変わりました」
「中里君が来てくれてからな」
「やはり神星の素材は大きいです」
何といってもというのだ。
「二人でも確かに日本の他の勢力に比べて大きかったですが」
「うちは四方敵に囲まれてるからな」
「ですから中々攻められませんでした」
「それが変わったな」
「はい」
まさにとだ、太宰は綾乃に答えた。
「山陰を掌握して東海にも圧勝しました」
「そして山陽との戦でも決定打を収められた」
「神星の方が二人から三人になったお陰です」
「一気に動いたな」
「はい、ではです」
太宰は綾乃に確かな顔で言った。
「ここは」
「四国もやな」
「あくまで可能ならですが」
「勝ってやな」
「併合しましょう」
綾乃に提案したがその提案の声は強かった。
「そしてです」
「九州やな」
「そうしましょう、どうも天下統一は当初我々が考えていたより迅速に行うべきかと」
「まさかと思うけどや」
太宰の今の言葉にだ、中里は目を光らせて言葉を返した。
「海外がか」
「そうです、大きく動いています」
「アメリカとか中国がか」
「東南アジアとオセアニア、中南米もです」
つまり太平洋全域がというのだ。
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