夢幻水滸伝
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第十四話 攻めるものその九
「統一に向かっています」
「そうなんやな」
「我々よりもです」
「速く統一に向かってるか」
「アメリカと中国には神星の方が二人ずつおられます」
太宰は中里にこのことも話した。
「東南アジア、オセアニア、中南米にはお一人ずつ」
「合わせて七人か」
「はい、そして東南アジアとオセアニアは連合になっています」
「何や、一緒か」
「そして米中はそれぞれ東西、南北が結び」
「やっぱり統一に向かってるか」
「そうです」
そうした状況だというのだ。
「そしてどの勢力もまずは太平洋の統一を掲げています」
「つまりうちの敵やな」
「そうなります」
「その敵達に向かわなあかんからか」
「こちらもです」
まさにというのだ。
「速いうちにです」
「天下の統一やな」
「それを行う必要があります」
「そういうことか」
「少なくとも天下が一つになっていませんと」
統一、それを果たしていなければというのだ。
「我々はどの勢力にも勝てません」
「難儀な話やな」
「しかもどの勢力も国力は日本全土の何倍ものものです」
「何倍か」
「日本は国力では太平洋第三位です」
その規模だというのだ。
「一国では」
「どうせ一番二番はアメリカか中国のどっちかやろ」
中里は彼等の世界の情勢から言った。
「そやろ」
「ご名答です」
「やっぱりな」
「人口は中国で技術はアメリカです」
「それで国力はどっちが上や」
「産業が栄えていてアメリカがです」
この国の方がというのだ。
「第一の国力です」
「そうなんやな」
「アメリカの産業と技術はこの世界で第一です」
「僕等の世界と一緒やな」
「確かに。ただ太平洋各国の技術は高く産業も発達しています」
「全体的にか」
「はい、欧州も同じ程度です」
こちらもというのだ。
「ロシアやインドはそういった地域よりも技術や産業では落ちます」
「そうした状況か」
「そうです、太平洋全域でこの世界の人口の六割、総生産もそれ位です」
これ位だというのだ。
「大きいです、そして我が国もです」
「日本の国力はどれ位や」
「太平洋、そして世界で第三位です」
「そこも僕等の世界と同じか」
「そうなりますね」
実際にとだ、太宰も答えた。
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