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夢幻水滸伝

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第十四話 攻めるものその七

「ほな二人もうち等の友達ってことで」
「一緒にやな」
「この世界でのことやっていきましょ」
 これが綾乃の返事だった。
「仲良く」
「じゃあこれからはか」
「わし等もか」
「そやで、一緒やで」
 先程までは敵同士だったがというのだ。
「宜しく頼むで」
「そうか、それやったらのう」
「これから頼むわ」
「色々至らんけどな」
「よろしゅうな」
「そういうことで」
「それでなのですが」
 今度は綾乃のすぐ左の下の座にいる太宰が二人に言った。
「二人共まずは政に加わってもらいます」
「山陽のやな」
「はい、そして関西や山陰もです」
 そちらの政にもというのだ。
「領地全体の政にです」
「加わってか」
「そうしてもらいます」
 太宰はこう井伏に答えた。
「我々は天下統一を目指していますので」
「天下統一を目指すならか」
「天下の政を行うべきです、ひいては」
 太宰は井伏にさらに言った。
「世界全体を見据えた」
「世界か」
「はい、この世界を」
 それ全体を見据えたそれをというのだ。
「そうあるべきなので」
「大きいのう」
「当然かと」
 これが太宰の返事だった。
「これは」
「星のモンのやることを考えたらか」
「星の者の目的は何か」
「この世界の地球を統一して世界を脅かす奴から守る」
「それではです」
「世界全体を見て政をする、か」
「そうでなければなりません」
 太宰は井伏に答え続ける、関西弁のニュアンスの敬語で話す。穏やかだが確かな喋り方でありそれ自体に説得力があった。
「そう思いますが」
「そうか、凄いのう」
「わし等はそこまで考えておらんかったわ」
 山本も言う。
「精々この国までじゃ」
「日本だけじゃったわ」
「そこから先は考とらんかった」
「器がちゃうのう」
「どうやら最初から負けとったな」
「そうじゃったな」 
 二人の間で話をした。
「ほなな、ここはじゃ」
「最初から降るべきじゃったのう」
「全くじゃ」
 二人で話をして笑みを浮かべ合ってだ、そしてだった。
 同時に綾乃に頭を下げてだ、彼女に言った。 
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