夢幻水滸伝
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第十四話 攻めるものその六
「政は今一つ不得手じゃがやらせてもらうわ」
「全然あかんって訳やないやろ」
「まあそこまではな」
「こいつもそこそこ政治出来る」
井伏が山本の政治能力について話した。
「安心してええわ」
「そうなんやな」
「ああ、それとわし等これからどうするんじゃ」
「どうするか?」
「そうじゃ、降ったけどな」
「そのことやな、すぐにな」
中里は返事もすぐだった、そのうえで二人に言った。
「都に来てもらうで」
「関西の本拠地か」
「そこに来てもらってな」
「姫巫女さんと会ってか」
「正式にこっちに加わってもらうで」
「わかったわ、それならじゃ」
「転移の術で都に行くで、それでな」
ここでだ、中里は夏目と中原に顔を向けて二人にも言った。
「これからのことやけど」
「ここのことでおじゃるな」
「弥生ちゃんと連絡を取り合ってな」
「山陽を速やかにでおじゃるな」
「うちの領土に完全に組み込んでや」
治める星の者達が降ると言っただけだ、まだ正式には関西の陣営に加わってはいないのだ。だからだ。
「それで後はな」
「政でおじゃるな」
「そっちも頼むで」
「わかったでおじゃる、樋口氏とでおじゃる」
弥生と共にというのだ。
「山陽の政もしていくでおじゃる」
「暫く頼むで」
「田畑も町も整えてでおじゃる」
「港や堤や道もやな」
「あと工場もでおじゃる」
そちらもというのだ。
「建てていくでおじゃるよ」
「頼むで、そっちも」
「関西並に豊かにしていくでおじゃるよ」
「山陰の方の政もこれで力を入れられる」
背中合わせになっている山陽も領地になったからだ。
「そやから頼むで」
「わかったでおじゃるよ」
「そしてわしもですな」
「ああ、商売のことを軸にな」
中里は中原にも話した。
「治をしてもらうわ」
「わかりました、ほなそうさせてもらいます」
「すぐにこの二人も戻って来る」
今度は井伏、山本を見ての言葉だ。
「関西も山陰、山陽もな」
「しっかりと治めていきますか」
「そうしていこな」
こう話してだ、中里は井伏と山本を都に転移の術で連れて行った。そして二人を綾乃の前に連れて行って戦の次第と顛末を話した。すると。
綾乃はにこりと笑ってだ、こう中里に話した。
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