八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百十六話 長崎の街その一
第百十六話 長崎の街
僕達は長崎駅から長崎の街に出た、駅に出るとそこはもう街だった。ビルもあって駅前の歩道は高所で交差していて色々な方に行ける様になっている。
その歩道に出てだ、僕は右手の本屋さんを観つつ言った。
「あの本屋さんもあるんだね」
「はい、今もです」
裕子さんは僕に左から答えてくれた、右には早百合さんがいる。
「あります」
「そしてビルもあって」
下には路面電車が走っていた、僕は路面電車も観て言った。
「走ってますね」
「路面電車も」
「やっぱり路面電車を観ますと」
「長崎に来たとですか」
「思えます」
緑の車両のそれをだ、線路をカタコトと走るその様子が実にいい。
「長崎なんだって」
「長崎名物の一つで」
「あれに乗ってですよね」
「街の人達も観光客の方々も行き来しています」
「そうですよね」
「乗られますね」
早百合さんは微笑んでだ、僕に聞いてきた。
「路面電車に」
「乗ってですか」
「はい、まずはですね」
「ええと、早百合さんのご実家に」
「行かれますか」
「喫茶店でしたね」
「そうです」
僕の質問に笑顔で答えてくれた。
「路面電車で行くとすぐですから」
「それじゃあ」
「乗ってそして」
「行きましょう」
「では私達も」
早百合さんは奥さんも含めて言ってきた。
「一緒に」
「路面電車に乗りましょう」
奥さんも言ってきた。
「そうしましょう」
「それじゃあ」
「実家はグラバー園の近くですので」
その喫茶店はというのだ。
「わかりやすいと思います」
「そういえばあの近くは」
「はい、グラバー園や大浦天主堂もあって」
「中華街もありますね」
「結構近くにあります」
「巡りやすいですね」
「そうなんです、ですから子供の頃は」
裕子さんはにこにことしてだ、僕にその頃のこともお話してくれた。
「どの場所もよく」
「巡られたんですか」
「そうしていました」
「いいですね、それは」
長崎の名所をいつも巡られる、ご当地の人の特権だ。奈良から来ている同級生の子は奈良の大仏も正倉院も何度も観たと言っていた。明日香村に行ったり天理の神殿本部や橿原神宮、長谷寺とかも二度三度と行ったらしい。
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