夢幻水滸伝
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第十三話 星と兵とその九
中里はすぐに転移の術を使ったうえで山陽に向かうことになった、それで彼は御所からだった。
すぐに戦場に向かうことにしたがここでだった。
見送る綾乃と太宰が彼に対して穏やかな声で言った。
「ほなよろしゅう」
「ご武運を祈ります」
「決めてくるな」
中里は既に出陣用意に入っている、鵺に乗り今から自身の転移の術を使って戦場に行くつもりだ。
「一気にだ」
「ここで敵を徹底的に破ったらな」
綾乃はその御所の正門の前で彼に語った。
「徹底的に戦力を奪って」
「相手も降るしかない」
「井伏君と山本君も出来るし」
「山陽の星の連中やな」
「ええ戦力になってくれるから」
だからだというのだ。
「頼むで」
「わかったわ」
「山陰に使者も送りました」
彼等もとだ、太宰は話した。
「ですからすぐにあちらもです」
「動くか」
「はい、そうなります」
弥生の方もというのだ。
「播磨と備前の戦で徹底的に破り」
「そして山陰からも攻めて」
「山陽を降します」
「そうしてやな」
「こちらの勢力に収めます」
「これでうち等の勢力は一気に大きくなるな」
山陽を降せばとだ、綾乃はこのことは確かな声で話した。
「是非やな」
「はい、山陽の全てとです」
「井伏君と山本君も」
「迎え入れましょう」
「そうしてやな」
「そして出来ればです」
「四国も」
もう一つ敵対している彼等もというのだ。
「そうしていきましょう」
「ほなな」
「これまで今一つ攻めきれていませんしたが」
「山陰も全部手に入れたし東海に勝ってそっちを弱めて」
「中里さんもいますので」
そうした条件が揃ったからだというのだ。
「状況次第で勢力拡大も出来る様になりました」
「これは有り難いな」
「まことに。ではまずは」
「山陽やな」
「そうなります」
まずはこの勢力をというのだ、太宰は綾乃に話した後で中里に顔を戻して彼に対しても言った。
「では」
「今からな」
「お願いします、戦いはお任せします」
「僕の好きにしてええんやな」
「思う存分戦われて下さい」
まさにそうしてくれというのだった。
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