夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十三話 星と兵とその八
「それとはまた別のものです」
「そやねんな」
「しかしこれがあれば」
「こうしてやな」
「領内、その境までです」
「見られてな」
「こうして戦も見られます」
そうだというのだ。
「瀬戸内の戦も後で観ましょうか」
「それがええな」
「はい、それでなのですが」
「ううん、戦局は互角やな」
綾乃は鏡に映るその状況を観つつ言った。
「まさに」
「そうですな」
「ここで決定的なことが加わったら」
綾乃はこうしたことも言った。
「って芥川君やったら言うやろな」
「おそらく」
「ほなそれや」
綾乃は明るく笑って言った。
「それ追加や」
「佐藤兄妹に加えて」
「山陰の弥生ちゃんに動いてくれる様に言うて」
そしてだった。
綾乃は中里をにこりと笑って見た、そのうえで彼に言った。
「後はや」
「僕か」
「ちょっと行ってくれる?」
「それでやな」
「山陽の方決めて欲しいんやけど」
戦場に行き戦ってそうしてもらいたいというのだ。
「ええやろか」
「僕が行ったらやな」
「今は戦局は有利でも今一つ攻めあぐねてる感じやから」
「そこで僕が入ったら」
「一気に決まるから」
その戦局がというのだ。
「それで出来たらな」
「山陽をやな」
「ここで併合したいねん」
自分達の傘下に収めたいというのだ。
「そやからな」
「僕が行くんやな」
「そうしてくれる?」
「わかったわ」
一言でだ、中里は綾乃に答えた。
「ほな今から行って来るわ」
「頼むで」
「そうさせてもらうな」
「それと」
太宰も言う、彼は中里だけでなく綾乃も見て言うのだった。
「四国も」
「そっちもかいな」
「そっちも戦局次第では」
「僕が行くんやな」
「いや、中里さんは山陽に行かれるので」
それでというのだ。
「四国はまた別の人が」
「うちやな」
綾乃は太宰の言葉を聞いてすぐに応えた。
「そやな」
「はい、お願い出来ますか」
「わかったわ」
笑顔でだ、綾乃は太宰に答えた。
「ほなな」
「状況次第では」
「四国との戦場に行って戦いを決める」
「そして四国も」
「こっちの勢力に収めましょう」
「それでは」
こうしたことを話してだ、そのうえでだった。
ページ上へ戻る