八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百十四話 ワインとデザートその七
「仏教の考えだとね」
「人間になるかも知れないし」
「他の生きものかも知れないしね」
「地獄に堕ちたりもするし」
行いがあまりにも悪いとだ。
「幸せもいいものならね」
「持って行けるわね」
「生まれ変わってもね」
「お金は持って行けないですが」
小夜子さんも言ってきた。
「幸せはそうですね」
「じゃあうんと幸せ持っていいことして」
「そのうえで、ですね」
「ダオ生まれ変わるわね」
「そうされますか」
「ええ、そういえば」
ここでだ、ふと言葉を一旦止めてだ。ダオさんはこんなことも言った。
「ジューンはクリスチャンよね」
「はい、そう言ってますね」
「けれど生まれ変わったらとか前に言ってたわ」
「そういえばそうですね」
小夜子さんもダオさんのその言葉に頷いた、アイスを食べつつ。
「言われてみれば」
「確かキリスト教って生まれ変わりは」
「その考えは基本はないです」
「そうよね」
「はい、ただ」
「ただって?」
「パットン将軍はありました」
第二次世界大戦中のアメリカ軍の中でも一番有名な将軍の一人だ、機械化部隊を率いて勇敢に戦ったことで有名だ。
「そうした考えが」
「生まれ変わりを信じていたの」
「それでご自身をハンニバルの生まれ変わりと思っておられたとか」
「パットンとかハンニバルはダオも知ってるけれど」
「有名な方々だからですね」
「小説とかでも出て来るしね」
どちらの人もというのだ。
「日本だと漫画でも有名人でしょ」
「確かにそうですね」
「それでダオも知ってるけれど」
それでもというのだ。
「いや、生まれ変わり信じてたのね」
「パットン将軍は」
「キリスト教徒なのに」
「そうでした」
「成程ね」
「私も生まれ変わりはあると思いますが」
「キリスト教徒でもあるのかしら」
その辺りはどうもというダオさんだった。
「そういうのは」
「そうかも知れないですね」
「ううん、どうなのかしら」
「まあそれはです」
「それは?」
「ここで考ええてもおそらくです」
ここでだ、サヨコさんはこんなことを言った。
「答えは出ないです」
「難しいお話だから」
「はい」
まさにそれが為にというのだ。
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