八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百十四話 ワインとデザートその六
「どうしても」
「誰がどう観てもっていうのが」
「はい、ですが」
「幸福の量は決まっていない」
「そして不幸が後に来るともです」
「限っていないのね」
「そして人それぞれで感じ方が違います」
幸福と不幸の双方がというのだ。
「そうしたことを頭に入れておいて下さい」
「わかったわ、そう考えていくわね」
「はい」
「これからはね」
「では今は」
「このまま幸福を楽しむわね、いや食べて飲んで」
その幸福を感じている顔でだ、ダオさんは微笑んで言った。
「そしてね」
「さらにですね」
「イルミネーションと花火も見て」
「最高ですね」
「アイスも食べてるしね」
ダオさんはこちらも忘れなかった。
「いや、最高よ」
「ではこのまま」
「何も考えずに幸せを考えていくわね」
「そうしていきましょう」
「幸せはね」
僕もここで自分の考えを言った。
「それが後に続く様なもので人の役に立つのなら」
「そうした幸せならなの」
「次の人生にも持って行けるよ」
「そうなのね」
「うん、今死んでもね」
「輪廻転生ね」
「その考えもあるね」
僕はダオさんが言ったこの思想も肯定して答えた、生まれ変わりは絶対にあると思う。実は天理教ではそんな話が多いからだ。
「死んでもその幸せをね」
「次の人生にも持って行けるのね」
「そうだよ」
「そうね、じゃあそうした幸せはね」
「是非だよね」
「持って行きたいわね」
ダオさんも言った。
「義和の言う通りにね」
「それじゃあね」
「うん、ダオも持って行くわ」
「次の人生に」
「そうするわ、ただ」
「ただ?」
「生まれ変わりっていってもあれよね」
笑顔でだ、ダオさんはこんなことも言った。
「人間とは限らないわよね」
「ああ、それはね」
「そうでしょ、他の生きものの場合もあるわね」
「うん、あるよ」
知り合いの教会で娘さんが幼くして死んだ三年後に息子さんが産まれた、教会長さんご夫婦はこの息子さんを娘さんの生まれ変わりだとわかったらしい、身体の同じ部分に同じ黒子か何かがあったのを見て。
そしてだ、悪いことをした人がどうなるかはだ。火の鳥という漫画で読んだ。
「畜生道ってあるからね」
「動物の世界ね」
「死んだら何処かの世界に行くよ」
まさに生まれ変わってだ。
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