| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百十三話 別の楽しみ方その八

「とにかく質素な方々だけれど」
「河豚がないというのは」
「小夜子さんとしては」
「お好み焼きと同じだけです」
「無理なんだね」
「河豚は最高のお魚です」
 小夜子さんはこうまで言った。
「あそこまで美味しいお魚はありません」
「河豚ね、あれはね」
 ダオさんが言うには。
「美味しいとは外見からはね」
「思えないですね」
「最初見て何このブサイクなお魚って思ったわ」
 実にダイレクトな表現だった、確かに河豚はそうだ。このことはアンコウについてもオコゼについても言える。
「食べられるのって」
「それが、です」
「美味しいのね」
「お刺身にしてもお鍋にしても」
「そうなの」
「唐揚げ等にしましても」
 あと天麩羅もいい。
「美味しいです」
「何にしてもなの」
「はい、河豚は」
 小夜子さんは力説していた、僕も聞いていて思った。その通りだと。
「どうしたお料理にしてもいいお魚です」
「そんな素敵なお魚なのね」
「毒がありますが」
「ああ、何か食べるとよね」
「毒がありますので」
「毒がある部分を取り除いて食べるのよね」
「そうです」
 本当にそうしないと死んでしまう、関西では河豚は鉄砲と呼ばれているけれど当たると死ぬという意味である。
「ですから調理には特別な免許も必要です」
「ややこしいわね」
「ですが美味しいです」
 小夜子さんはまた言った。
「特に冬は」
「そうなのね、冬ね」
「冬になればご期待下さい」
「そうしたいわね」
「多少高いですが」 
 このことは最近かなりましになったらしい、調理済のものが出される様になってそれでかなり安くなったらしい。
「素敵な味です」
「当たらなければ食べたいわね」
「どうぞ」
「そちらも期待ね、まあとにかく」
 何につけてもだった、今は。
「パスタね」
「そちらですね」
「ピザ、それにワインもよ」
「今から食べに行きましょう」
「お腹一杯食べて飲むわよ」
「ダオさんお酒はワインもですね」
「何でもいけるわ」
 それこそとだ、ダオさんは小夜子さんにこのことも答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧