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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百十三話 別の楽しみ方その三

「今夜行こうって小夜子とお話してね」
「今からです」
 まさにとだ、小夜子さんも言ってきた。
「二人でそのお店に行くところでした」
「そして僕もなんだね」
「三人になりました」
 まさにとだ、小夜子さんはまた話してくれた。そしてだった。
 三人でそのお店に行くことになった、その途中ダオさんは僕ににこにことした笑顔でこんなことを言ってきた。
「日本のパスタはまた独特よね」
「独特っていうと」
「たらこスパとかあるじゃない、納豆とかね」
「ああ、和風の」
「あれは凄いわね」
 唸っての言葉だった。
「ベトナムでもパスタはあるけれど」
「食べてるんだね」
「アメリカとかから入ってきて」
「あの国からなんだ」
「ベトナム戦争の時に入って来たのよ」
 ベトナムを世界的に有名にした戦争だろうか、アメリカはとんでもないだけの国力差でベトナムの共産主義勢力を潰そうとした、だがベトナムはそのアメリカと粘り強く戦い遂に退けることに成功した戦争である。ただ厳密に言うと宣戦布告をしていないので戦争ではないらしい。
「パスタもね」
「アメリカ軍からだったんだね」
「フランス統治時代にステーキも入ってきていて」
「そっちもなんだ」
「中国から中華料理も入ってきてるわよ」
「どの国とも戦争してるね」 
 それも二十世紀後半の僅かな期間にだ。
「それで勝ったんだったね」
「そして戦いの中でよ」
「料理文化も取り入れたんだね」
「そうなの、我が国はね」
「タフだね」
「まあ伊達に生き残ってないわよ」
 その長い歴史をだ。
「徴姉妹の頃からね」
「ベトナム独立の英雄っていう」
「そう、紀元前のお話だけれど」
 ベトナムの歴史も長い、当時の中国は後漢の頃だ。三国志はその後漢の末期から物語がはじまっている。
「そこから中国と戦ってモンゴルも来て」
「あの国だね」
「撃退したのよ」
 最早チートレベルと言っていいこの国もだ、日本は海と台風ベトナムはジャングルであのとんでもない国を撃退している。
「そうしたこともあったわね」
「ベトナムの歴史も凄いよね」
「大戦中日本軍も来たしね」
「ああ、仏印進駐だね」
「まあ日本のパスタはその時には入ってないわね」
「当時なかったしね、たらこスパとか」
「そうだったのね」
 このことにはダオさんは意外といった顔だった。
「昔からあると思ってたわ」
「それが違うんだ」
「そうだったのね」
「うん、戦後出来た食べものだから」
「新しいのね」
「たらこスパとか納豆スパはね」
「成程ね、ああした和風パスタはね」 
 ダオさんはベトナム料理だけでなくパスタも好きだ、それで和風パスタも学校で食べたりしているのだ。他には山葵スパや山菜スパも食べていると聞いている。 
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