夢幻水滸伝
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第九話 関ヶ原の戦いその十六
「それで相棒、巨人は他の世界から来てるって思ってるな」
「実際にな」
「問題はどういった世界から来てるかやな」
「ああ、あとどうしてこの世界に来てるか」
「それも問題やな」
「世界を行き来出来る力があるんか?」
「若しくは行き来させてる奴がおるか」
狐は考える顔になって言った。
「そうかも知れんな」
「だとしたら誰か、やな」
「巨人をこっちの世界に送ってる奴は」
「正直あの連中は知能も文明もない」
「そやな」
「魔法も使えん」
少なくともこれまで使った者がいたという報告はない、初歩の魔法でさえも。
「科学もない」
「何もな」
「ほんま野蛮って言ってもええ」
「わし等の文明よりずっと低いな」
「比べものにならん」
魔術も科学もありそういったものが相互に影響し合い発展していっているこの世界とは、というのだ。これは程度の差こそあれ日本以外の国も同じだ。
「全くな」
「そういった連中の国家やとな」
「高度な統治システムとかもないやろし」
「そうした世界を行き来出来る様なな」
「組織や技術もないやろ」
「ほな誰が送ってるか」
「そこが気になるな」
芥川は腕を組み考える顔で言った。
「ほんまに」
「その通りやな」
「どういった連中やろな」
「それでどういった世界でどういった奴が関わってるか」
「連中のことも気になるいわ」
「その通りやな」
「ああ、それでな」
芥川の話は続く。
「ロシアの氷帝やインドの雷帝は連中に容赦なくやな」
「もう何の躊躇もなくな」
「巨人も薙ぎ倒してるか」
「その力でな」
「巨人はともかく歯向かう連中は生き埋めでも何でもしてか」
「強制労働、人間の盾何でもありや」
そうした非道とだ、芥川達の世界では確実にこう言われこの世界でも流石に行えば冷酷を極めると言われることもというのだ。
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