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夢幻水滸伝

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第九話 関ヶ原の戦いその十五

「その可能性はな」
「わし高いと思うで」
 九尾の狐は右の前足を出して招く様に動かしてだ、芥川に話した。
「やっぱりな」
「僕もそう思うわ」
「そやろ、自分も」
「連中は何か関係ある」
「この世界の危機に」
「何でいつも急に煙みたいに出て来るかも謎やしな」
「考えていくとな」
 そうした不可思議な要素も含めてだ。
「あの連中はこの世界の危機と関わりがある」
「そうなるな」
「ほんまはこの世界におらんかも知れんしな」
「この世界にか」
「北欧神話やと神々の世界、人間の世界、妖精の世界、巨人の世界て分かれてるんや」
 世界樹、ユグドラシルを中心とした世界の中でだ。
「それでそれぞれの世界は分かれててな」
「巨人の世界もあってか」
「それぞれの世界を行き来する方法もない訳やなくて」
「巨人が人間の世界に行くこともか」
「あったりするんや」
「そやねんな」
「もっと言えば実は神々も巨人やで」
 芥川は狐にこのことも話した。
「これギリシア神話とかケルト神話もやけどな」
「あれっ、そうなんか」
「そや、よく読んでいけばわかるわ」
 そうした神話達をというのだ。
「神々と巨人は争ってるけど正面から武器で打ち合ったりしてるわ」
「それが出来るってことは」
「大きさが同じ位やからか」
「そうや、勝ったのが神様になってな」
「負けたら巨人か」
「そうなる、ただな」
 ここで芥川は狐にこうも話した。
「この世界の巨人はでかくて力も強いけどな」
「あまり知能はないな」
「それは感じへん」 
 力は確かに強大だが、というのだ。
「馬鹿力と能力で暴れ回るだけや」
「喋らんし魔法も使わへんしな」
「使ってる武器や防具もでかいけどな」
 それでもというのだ。
「質自体はよくない」
「そっちもでかいだけでな」
「そういうの見てるとな」
「魔法も一切使わんし戦術もない」
 まさにただ馬鹿力で暴れているだけだというのだ。
「文明も大したことない」
「神々とはちゃうな」
「ああ、言うたら悪いが蛮人や」
 そういった者達だというのだ。
「力は強いけど野蛮でな」
「図体がでかいだけの連中やな」
「その図体がでかいのが厄介やけどな」
 それだけで大きな力になる、体格はそこまで重要なのだ。
「火や氷も使って」
「別に何でもないな」
「そやな」
 お互いに話をした、そして。
 狐は芥川にだ、神妙な顔になり問うた。 
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