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夢幻水滸伝

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第九話 関ヶ原の戦いその八

「食おうな」
「そうしよな」 
 こうしてだ、関西の軍勢は夕方に早い夕食を摂った、そのうえでそれぞれの場所に入り夜に備えた。そ頃東海の者達は。
 夜のことに必死にかかっていた、それは星達も同じでだ。滝沢は自身の騎馬隊に言っていた。
「いいか、今はだ」
「はい、よく休んでですね」
「夜に備えておくんですね」
「そうするんですね」
「そうだ、よく休め」
 今のうちにというのだ。
「食って寝ておけ」
「馬達も餌を食わせてですね」
「休ませますか」
「そうだ、そうしろ」
 こう言うのだった。
「夜は激しい戦になる」
「だからですね」
「今のうちに休んで」
「そのうえで」
「あと武具の手入れもだ」
 滝沢はこのことも話した。
「忘れるな」
「わかっています」
「武具があってこそですからね」
「手入れは忘れません」
「戦の前には」
「絶対にだ、私達は山から蹴落とされた敵を攻める」
 そこからさらにというのだ。
「そうして勝敗を決める」
「だからこそですね」
「我々は一気にですね」
「勝敗を決める役目であり」
「功も大きいですね」
「そうだ、思う存分手柄を立てろ」
 まさにとだ、滝沢は騎馬隊の兵達の鼓舞もした。
「いいな、その為にもだ」
「今は休みます」
「飯を食って寝ます」
「馬もそうさせますし」
「武具の手入れもします」
「そうしろ、そして見張りも忘れるな」
 休んでいるその間もというのだ。
「敵はそうした時にこそ来るからな」
「はい、それではです」
「そのことも忘れずに」
「今は備えておきます」
「その様にな」
 滝沢は自身が率いる騎馬隊の面々に夜に備えさせるのに必死だった、それは坂口達も同じで彼は雅と正宗と共にだ。
 本陣で兵達に夜の戦の用意をさせていた、そして周りへの警戒も忘れていなかった。
「敵はどうだぎゃ」
「はい、動きはありません」
 雅が彼に答えた。
「敵陣で布陣を固めていてです」
「動いてないぎゃな」
「そうです」
 雅は坂口に落ち着いた声で答えた。
「今は」
「そうだぎゃ」
「我々はもう食事を摂りましたが」
「相手はどうだぎゃ」
「そうした動きもです」
 それもというのだ。 
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