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夢幻水滸伝

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第九話 関ヶ原の戦いその七

「心を乱されたりせん術やな」
「そや、その術をかける。ただな」
「ただ?」
「兵隊連中には芝居させるか」
「芝居かいな」
「かかったふりをさせる」
 雅のその術にというのだ。
「それでわざと兵に動いてもらってな」
「敵に仕掛けさせるんやな」
「まああれやな山の本陣攻めさせてな」
 術をかけた軍勢をさらに煽ってだ、芥川はここまで読んでいた。
「それでそこで上から岩や石を落として攻撃してや」
「こっちの動きを止めてやな」
「さらに攻める、上から一気に落として後は騎馬隊も使ってな」 
 東海が多く持つ彼等のそれをというのだ。
「足軽や僧兵でも突撃してな」
「一気に潰すつもりやな」
「そうした考えやろ、しかしな」
 それでもというのだ。
「こうしてわかってるとや」
「相手の策をやな」
「対策がある、それでや」
「その対策をやな」
「話すわ」
 こうしてだ、芥川は綾乃と中里に自分の考えを話した。中里はその話を聞いて真剣な顔で彼に言葉を返した。
「それやったらな」
「いける思うやろ」
「ああ、相手の策を跳ね返せるな」
「そやろ、そやからな」
「それでいくんやな」
「そや」
 その通りとだ、芥川も答えた。
「そうしてくで」
「わかった、ほなそうしてこか」
「そういうことでな」
「夜か」
「夜に決める、後はや」
「夜の戦に備えてか」
「用意はじめるで」
 彼等の方もというのだ。
「ええな」
「わかった、飯食うてやな」
「それから僕等も配置に着くで」 
 それぞれの場所にというのだ。
「夜に備えてな」
「それで関ヶ原で勝った後は」
「岐阜城攻めるで、そして岐阜城からな」
「それからもやな」
「攻めるわ」 
「尾張か」
「まあまずは岐阜城や」
 関ヶ原の次はというのだ。
「あの城を攻めるで」
「わかったわ、関ヶ原の次はやな」
「そこや」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 芥川は綾乃にだ、こう言った。
「それでええな」
「ええで、ほな夕方になったら」
「相手に気付かれん様にな」
 夜のことに備えてとだ、相手のことを考えてだ。 
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