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夢幻水滸伝

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第九話 関ヶ原の戦いその九

「見られません」
「そうだぎゃ」
「上からの物見は出せませんでしたが」
「近寄れないだぎゃな」
「警戒が厳しく」
 関西の軍勢のそれがというのだ。
「ですからそれは出来ませんでした」
「残念だぎゃな」
「はい、それで陸から見ていますか」
「そうした動きはないぎゃ」
「その様です、今のところは。ただ」
「食おうと思えば食えるぎゃ」
「はい、干し飯でも口に入れれば」
 隠れてだ。
「それで出来ます」
「そうだぎゃな」
「相手には軍師もいます」
 芥川であることは言うまでもない、彼等も敵のことは知っているのだ。
「あの人の頭も要注意です」
「芥川なあ」
 坂口は彼のことも考えた。
「あいつはほんまに頭がええぎゃ」
「あの人を出し抜く為にもです」
「ここはぎゃな」
「はい、慎重に慎重を期して」
 そのうえでというのだ。
「ことを進めていきましょう」
「その通りだぎゃ」
「ですから攻めないのです」
 自分達からはというのだ。
「あえて」
「相手に仕掛けさせてか」
「そうしてですね」
「ええ、そうよ」 
 雅は滝沢と正宗にも応えた、二人は高校では同級生と下級生なので敬語ではないのだ。
「二人もそこはお願いね」
「わかっているよ」
「ご安心下さい」
 二人はその雅に彼等それぞれが雅に対する口調で答えた。
「軽挙妄動は慎みます」
「我等にしても」
「そうしてね、こちらが下手に動けば」
 その時はというのだ。
「逆にやられるわ」
「そうした相手ですね」
 正宗は腕を組み真剣な顔で応えた。
「間違いなく」
「神星が三人よ」
 最強とされる星達がというのだ。
「揃っているのよ、だからね」
「迂闊に仕掛けますと倍の兵力でも」
「負けるわ」
 そうなってしまうというのだ。
「私達の方がね」
「その通りですね」
「だからね」
「ここは、ですね」
「夜に策で相手を動かしてそこから煽って」
「そのうえで返り討ちにしてから」
「反撃する形で軍勢を倒すのよ」
 三人を攻めずにというのだ。 
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