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夢幻水滸伝

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第九話 関ヶ原の戦いその六

「こっちの軍勢を乱してきてからな」
「それからか」
「返り討ちにしようって考えや」
「相手はそういう考えやねんな」
「後な」
 芥川はさらに話した。
「雅ちゃんは相手の精神を乱す術が得意や」
「あの娘が仕掛けて来るか」
「僕等はともかく兵隊の連中を乱す位はお手のものや」
 雅のこともだ、芥川はよく知っていた。実は星の者達のことは敵味方関係なく頭の中に入れている。そうしてどう対するかどう働いてもらうのかをよく考えているのだ。
「兵の一部を相手の陣に攻めさせる」
「そうしてくるんかいな」
「そこでさらに煽ってこっちの軍勢全体を動かしてな」
「あの山にいる敵の軍勢を攻めさせるか」
「そうした考えやろ、今頃あの山では迎え討つ用意に入ってるわ」
「そういえば」
 綾乃はここで敵がいる山を見た、一見するとただの山だが。
「人がよお動いてるな」
「そやろ」
「ということはや」
「もう夜に備えてるんや」
「今からか」
「ああ、一人や二人やなくて万単位の人間が動くとな」
「山の中でもな」
 木々に隠れるがだ、人が少ないと。
「わかるやろ」
「ああ、そやな」
「木も切り倒してるし大きな岩を動かしてる」
「ああしたものも使うんやな」
「おそらく僕等が攻めるとな」
「ああしたものを落としてくるか」
「絶対にそうしてくるわ」
 間違いなく、というのだ。
「夜にな」
「そうしてくるんやな」
「そんで後は向こうの数の多い騎馬隊使ってな」
「返り討ちにしてからか」
「騎馬隊で攻めてさらに打撃与えて」
「後は総攻撃やな」
「そういう考えやろ」
 雅はというのだ。
「兵の数やなくて僕等を軽快してな」
「兵を攻めてくるんやな」
「それも策でな」
「雅ちゃんもよお考えてるな」
「頭ええさかいな」
 東海の軍師である彼女はというのだ。
「そやからな」
「そうした策も使って来るねんな」
「幾ら神星でも兵がおらんとな」
 戦の時はというのだ。
「どうにもならんわ」
「それはな、戦は一人では出来んし」 
 綾乃もこう言う。
「兵隊さん達がやられたらな」
「お話にならんわ」
「そやな、ほなどうするか」
「まずは綾乃ちゃんの出番や」
 芥川は自分達の主君に述べた。
「ここはな」
「うちやな」
「そや、まずは綾乃ちゃんの術をこっちの軍勢にかけるんや」
「ええと、この場合は」
 どうした術をかけるべきか、綾乃は少し考えてから芥川に答えた。 
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