夢幻水滸伝
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第九話 関ヶ原の戦いその四
「攻めてこんのは何故か」
「昼に攻めてこんならか」
「そや、夜に攻めて来る」
「そうなるんやな」
「戦は昼だけやない」
芥川はさらに言った。
「夜もあるやろ」
「世界は昼と夜の二つから成る」
「その夜に攻めて来るんや」
そうなるというのだ。
「間違いなくな、それと何故夜に攻めるか」
「数が多いのに」
「それは僕等を見てや」
芥川はこうも話した。
「僕等神星三人をな」
「神星の力をよくわかってるからか」
「そや、昼に下手に攻めても神星の力で返り討ちに遭う」
「それを恐れてやな」
「夜に攻めるつもりや、しかも僕達を攻めるんちゃうで」
「軍勢をやな」
中里は鋭い目になって芥川に問うた。
「そやな」
「そや、僕達を攻めても勝てん」
「それでやな」
「軍勢を攻めるんや」
「そうして勝つつもりか」
「そや」
まさにというのだ。
「敵はそのつもりや」
「軍勢倒したら一緒やしな」
「そや、幾ら強い星が何人おってもな」
「軍勢さえ倒したら同じやから」
「軍勢に仕掛けて来るわ」
「夜襲か?」
敵がどういったことをしてくるか、中里は鋭い目になり言った。
「そう来るか」
「いや、それはないやろ」
「夜に攻めるにしてもか」
「実は相手は結構な軍師がおるんや」
敵が陣を敷いている山を見つつだ、芥川は中里に話した。
「司馬雅ちゃんっちゅうダークエルフがな」
「ダークエルフの娘か」
「その娘が軍師や、神具は孫子と左伝や」
「左伝っていうと春秋左子伝やな」
「その二つや、どっちも持ってる人間に強い魔力と兵法の力を授けてくれる」
そうした神具だというのだ。
「元々ダークエルフで頭がええけどな」
「それが余計にやな」
「強くなっててな」
それでというのだ。
「結構ええ軍師や」
「そやから夜にもただ攻めるだけやないか」
「手の込んだことしてくるわ、向こうの軍勢は大将と将が二人や」
その軍師以外はというのだ。
「天が一人でこれが大将でな」
「そいつは何で奴や」
「三年の坂口や、知ってるんか?」
「一年の時同じクラスで名古屋から来た奴おったけれど」
「そいつや、そいつが向こうの大将や」
「あいつがかいな」
「そうや、あいつと二年の滝沢君と一年の正宗君な」
この二人もというのだ。
「この二人が将や」
「そうした組み合わせか」
「合わせて四人、まあ四人共強いけどや」
それでもというのだ。
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